研究課題/領域番号 |
20K00939
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
関 周一 宮崎大学, 教育学部, 教授 (30725940)
|
研究分担者 |
石川 千佳子 宮崎大学, 教育学部, 教授 (10184483)
大野 匠 宮崎大学, 教育学部, 教授 (90590977)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 日向国 / 日向様式の仏像 / 一木造 / 大般若波羅蜜多経 / 宋版 / 中世仏像 / 麟祥院 / 普門寺 / 十一面観音像 / 唐本 / 妙覚寺 / 日蓮聖人坐像 / 法華嶽薬師寺 / 天井画 / 十二神像板絵 / 麟祥院蔵大般若波羅蜜多経 / 仏教文化 / 大般若経 / 仏像 / 伊東氏 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中世の日向国を対象とし、一国レベルの仏教文化の特徴を明らかにした上で、それを生み出した政治的・社会的状況の中に位置づけることを課題とする。具体的には、下記のA・B・Cを課題とする。 A 宮崎県内の各地に所蔵されている仏像や絵画の中で代表的ものを選び、個々の特質を明らかにする。 B 宮崎県西都市麟祥院所蔵の大般若経の調査を行う。書写された経緯などを考察する。 C A・Bを生み出した背景にある日向国の荘園公領制、領主たちの動向、職人の組織などを検討する。他地域との交流の様相について、交通や流通などから検討する。 歴史学や美術史などの複数の学問分野の方法を駆使する異分野協業を行う。
|
研究成果の概要 |
平安後期から室町期に至るまで一木造の仏像がみられる。内刳りを施さないなど、霊木への崇敬に関連した造形がみられる。平安期の造像技法の伝承と、鎌倉期以降の外観様式との折衷による「日向様式」が成立していた。 西都市所在の円通山麟祥院所蔵の大般若波羅蜜多経は、元徳2年(1330)~建武2年(1335)にかけて書写された。底本は、北宋の福州東福寺版大蔵経である。14世紀後半~15世紀後半に一部を補入し、天文12年(1543)に戦乱によって紛失した分100巻(巻301~400)を一括補入した。江戸時代から明治3年(1870)まで補修が続けられ、地域の信仰の核として使用されたことがわかる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中世の仏像は寄木造が主流であることに対して、日向国の中世仏像は一木造を主としており、きわめて地域色が濃い。このことは、中世仏像の見直しを迫るものである。 円通山麟祥院所蔵の大般若波羅蜜多経は、日本に輸入された南宋の版本を鎌倉末期に書写したもので、南宋の仏教文化が日向国に流入したことを示している。また近世や近代初期に至るまで、補入や補修を繰り返しており、地域における仏教信仰の継続を示している。 仏像・大般若波羅蜜多経の調査は、宮崎県内の文化財の再評価をするもので、文化財保護の観点から意義ある成果だといえる。
|