研究課題/領域番号 |
20K00947
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鶴見 太郎 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (80288696)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 民間伝承 / 柳田国男 / 郷土研究 / 民間伝承の会 / 橋浦泰雄 / 民俗誌 / 民俗 / 郷土 / 民俗学 |
研究開始時の研究の概要 |
1950年代前半の柳田国男の民俗学の組織化について、基礎資料の分析からその実像に迫りたい。“在野の学問”として戦前戦中と独自の領分を築いてきた柳田民俗学が、ここに到って学会として再編されたことは、それまで各地の郷土史家を担い手としてきたという経緯から、「アマチュア」と「学者」というふたつの異なる範疇が生まれたことで、組織内に或る葛藤を内包せざるを得なかった。本研究はその実態を明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
1950年代前半における地方に向けた柳田民俗学の影響力について、これまで重点的に検討対象としてきた拠点を中心に調査を継続した。ひとつの傾向として、戦前・戦中における「民間伝承の会」の組織活動が進展したことに伴い、次第に鳥取、新潟、信州松本などにおいて、柳田国男の民俗学を受容した郷土史家が在地の郷土研究会を軌道に乗せ、さらなる展開をはかったこと、戦後「日本民俗学会」への改編によって、柳田と交流のない世代の郷土史家の層が次第に形成されてきていることを検証した。学会化によってもたらされた影響は組織面において柳田民俗学そのものを大きく変貌させていった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本の民俗学は郷土研究によって支えられてきたことは、周知の事項に属するが、それを組織化するにあたって、全国の民俗事象を比較する上で日本各地に自身の「郷土」を研究する郷土史家が必要とされた。この傾向は戦後もしばらく続く。ただし、「郷土」を離れ、その後長く東京その他都市部の教育・研究機関で活動する事例が目立ってくる。この範疇に属する場合、当該の人物の位置付けは狭義の郷土史家とは異なる要素を持つ。しかも、中央に終始拠点を置くことなく、郷土との往還をしばしば行う事例も見られ、この点において中央の研究者と郷土史家ーという研究史上に見られた関係は次第に後退しているといっていい。
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