研究課題/領域番号 |
20K00949
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
|
研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
母利 美和 京都女子大学, 文学部, 教授 (60367951)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 徳川綱吉 / 桂昌院 / 本庄宗資 / 寺院復興 / 地域社会 / 岡村道仙 / 善峯寺 / 開帳 / 近世寺院 / 寺社復興 / 寺院経済 / 金蔵寺 |
研究開始時の研究の概要 |
従来から存在が知られていた善峯寺文書は、部分的に調査が実施され、研究活用されてきた。桂昌院との関係性についても、善峯寺と桂昌院の出生談が強調されてきたが、金蔵寺との「両寺」再興の意義は、出生談のみでは説明できないことは明らかである。本研究では、綱吉政権期の寺院政策の意義を再検討することが第一義的な成果となると予想されるが、善峯寺文書は元禄期から明治10年代までの事務日記等が伝存しており、全史料の調査成果による分類目録の作成・公開により、近世前期から明治期に至る近世寺院運営の実態解明、当該地域社会と寺院との関係研究など、多様な研究が可能となる。
|
研究成果の概要 |
本研究では善峯寺所蔵文書6800点の全容把握を中心にすすめ、約6800点の全体像を解明した。その結果、元禄~宝永期の善峯寺復興に関係する桂昌院をはじめ本庄家、本庄家との関係から仙台藩御典医となった岡村道仙との往復書簡が約3000点と全体の4割を占めること、戦国末期から近世にわたる寺務運営を物語る寺領(坊領)田畑山林関係文書、本山との関係文書、元禄復興期以降記録された寺内の七坊による輪番日記、法会のほか年中儀礼の執行・財政関係文書、寺領村の領知・人別関係文書、十輪寺・玄松寺などの末寺関係文書、堂舎維持のための修復勧進・開帳関係文書など、戦国期から明治初期に至る豊富な史料群であることが確認できた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究により、善峯寺文書の全目録と画像データにより全容把握が可能となった。元禄から宝永期の徳川綱吉による寺院復興における寺院・幕府の関係の具体像と、そこから派生する、本末関係への影響、寺院内部の組織、寺領や門前地域のみならず寺家の人々との関係する地域社会への影響の解明につながる基礎史料が得られたことにより、今後当該期の幕府による宗教制作を再検討する契機となるであろう。 また、室町時代後期から明治維新まで、一天台宗寺院の3~4世紀にわたる寺領・財政などの史料も豊富であり、全目録の完成により、多方面での研究活用が可能となる。
|