研究課題/領域番号 |
20K00952
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 北海道博物館 |
研究代表者 |
小川 正人 北海道博物館, 研究部, アイヌ民族文化研究センター長 (10761629)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 近代アイヌ史 / アイヌ教育史 / 近代北海道史 / 先住民族の近現代史 / 社会への参画 / 先住民族史 / 近代アイヌ教育史 / 先住民族の近代史 / 植民地教育史 / 北海道史 / アイヌ史 / 植民地史 / 近代教育史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、近代日本の成立過程において、政治・経済・社会・文化のいずれにおいても極端な少数者の位置に置かれたアイヌ民族が、そのような状況下において近代日本の地域や社会に様々なかたちで参画を目指した歴史に着目し、先ず北海道をはじめサハリン(樺太)、千島など各地における基礎的事実となり得る事例や人々の足跡を把握する。 それらを通して、〈アイヌ自身が、どのように社会の現状を認識し、時代の行方を展望しようとしたのか〉を明らかにし、かつ〈それぞれの参画への試みは、どのような経緯をたどったのか〉にも着目することで、近代日本社会を生きたアイヌ民族の多様な歩みの態様に即した近代アイヌ史像の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
この研究では、近代日本におけるアイヌ民族による社会参画を目指す取り組みの歴史を調査し、その実態と特徴を分析することを目的とし、特に、日本社会における公教育を受ける権利を求める活動や、より高い学歴を目指す活動、自分たちの生活基盤を確立するための土地の確保を目指す活動、地域の社会基盤の充実を目指す活動などに着目して、これらの実態を明らかにした。様々な事例を通して、地域の社会基盤の整備(学校の設置など)などの活動はアイヌ民族の相当の努力によって一定の実現をみる一方で、広い土地の確保や政治的権利(例えば道政や国政への参画など)については実現が極めて困難な実態がある等の歴史的な特徴が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
・近現代日本におけるアイヌ民族の社会への参画を目指す意志や活動の実態について多くの具体的な事例を明らかにした。 ・「その意志や活動が生じるに至った歴史的背景」「周囲のアイヌ民族や、マジョリティの人々、行政の対応」「その意志や活動がどのように実現したか/しなかったか」の諸点に着目して実態を分析することにより、厳しい歴史的条件のもとでのアイヌ民族の意志や活動の実態と、それらが置かれていた社会的環境(アイヌ民族を包囲する多数者の意識や行政の態様)を明らかにした。 ・特に、1920~30年代以降における地域の生活基盤の確保を目指す活動や、自分たちで伝統文化の客観化を目指す活動などについて新たな知見を得た。
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