研究課題/領域番号 |
20K00953
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 新潟県立歴史博物館 |
研究代表者 |
前嶋 敏 新潟県立歴史博物館, その他部局等, 研究員 (30373476)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 古文書群 / 伝来 / 越後 / 文書群 |
研究開始時の研究の概要 |
歴史資料群それぞれの性格を明らかにするうえでは、その伝来状況を含めた検討が不可欠である。中世に作成され、形成された文書群の伝来経緯は時代をおうごとに多様になるとみられ、それは当該の文書群を伝来させた地域の歴史等と不可分の関係にある。本研究では、中世に形成された文書群について、地域における歴史編纂活動や歴史資料収集の状況等にも留意しつつ、近代以後も含めた伝来経緯に関する検討を通じて、それ自体の構造や性格等を通時代的に明らかにする。なお本研究の実施にあっては、新潟県域、とくに下越地域に関わって伝来した史資料を主な題材とする。
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研究実績の概要 |
各地域に伝わる中世文書あるいは文書群にはモノとしての歴史があり、それ自体が当該文書の内容と不可分の関係にある場合は少なくない。本研究はその点に着目し、中世文書群について、近代以後も含めた通時代的な伝来状況の検討を通じて、文書群自体の構造とその性格を明らかにすることを目的とする。またそのための題材として、中世では越後に拠点をおいて活動していた武家伝来の文書群を中心的にとりあげる。 令和5年度は、戦国期上杉家中に関わって伝来した文書群のうち、福島県や山形県に所在している古文書群などについて調査を行った。なお今年度に調査したうち、山形県所在文書は複数の家の伝来文書群を近世期に集積し、近代まで伝えられたものとみられ、近世米沢藩における文書移動またそれ以後の文書群伝来様相をうかがわせるものとして注目された。 また令和5年度は、新潟県立歴史博物館所蔵文書の伝来に関して文献調査ならびに検討を行った。そのなかで、令和4年度までに行っていた『越佐史料』の記述を踏まえて文書群の伝来について検討した結果として、越後中世において活動した武士団のうち、複数の家の文書群が、近世において一つの家の文書群として集積されたものの、これが近代にいたって再編された結果として、あらためて伝来家別の文書群構成(現状)となっている事例が明らかになった。このことからしても、中世文書群の現状については、近世また近代の様相を理解すべきであることが示されよう。 今年度は、これらを踏まえて近世・近代における中世文書群の具体相を明らかにしていくこととしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年以後のコロナウイルス感染拡大状況を受けて、県外、とくに遠方への調査が難しくなっていたことの影響もあり、調査の日程調整に手間取るなどしたため、当初予定していた研究計画を完了することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、コロナウイルス感染拡大の影響を受けて調査を行えていなかった文書群等の補助調査を行い、またこれまでに調査してきた成果とあわせて、文献との比較検討を行う。そのなかで、中世武家文書群の近世・近現代における伝来のあり方についていくつかの類型を析出するととしたい。なお、計画の完了に向けて、調査の効率化を図るため、写真資料等を積極的に活用することとしたい。
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