研究課題/領域番号 |
20K00954
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 公益財団法人元興寺文化財研究所 |
研究代表者 |
三宅 徹誠 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (80449363)
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研究分担者 |
服部 光真 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (00746498)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 円成寺 / 忍辱山流 / 聖教 / 寺院史料 / 木札 / 版木 |
研究開始時の研究の概要 |
寺院史料研究において、古文書のみならず、歴史史料として悉皆調査の必要性が説かれている聖教(経典、法要の次第類、印信など)、さらに奉納札、祈祷札など「仏教民俗資料」とされてきた木札資料や版木、位牌、建築史料として扱われてきた堂内落書、美術史料として扱われてきた像内納入文書など、別個に扱われてきた各種の文字史料について、それぞれの機能や相互の連関を総合的に分析することで、中近世寺院史料の全体構造を明らかにし、総合的な寺院史料学を構築する。例として、真言宗忍辱山流の拠点である円成寺(奈良県奈良市)所蔵のこれまで全く未調査であった3000点弱の聖教等を調査報告する。
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研究実績の概要 |
経蔵所在の円成寺聖教約1000点、及び南無仏太子像胎内納入品などの既に確認されている史料を含め別置されている古文書、聖教、木札などの調査を実施、資料の撮影、調書の作成(法量計測等)を行った。 古文書類に関しては、「徳川家康朱印状写」、「円成寺縁起」、「大蔵経請来二合船残録」などを熟覧した。 木札については、永正15年(1518)、及び寛永12年(1635)の円成寺鎮守の棟札などの法量計測、撮影などを行った。また、木札の書式などに関わる聖教が経蔵にて見出されている。服部光真が、それらの成果を含め、「寺院史料のなかの「聖教とそのかたち」―木札資料・板木に注目して―」と題して神奈川県金沢文庫において報告している。 聖教は、4年間で合計約3000点の調査を終えた。三宅徹誠は、これまでの調査成果をまとめ、元興寺文化財研究所において「真言密教忍辱山流の成立とその後―円成寺聖教を参考に―」という題で、円成寺に忍辱山流聖教が具備されていく過程などについて講演した。円成寺は15世紀の火災により伽藍を失うが、復興事業により伽藍が再建されていく。その後、経典や聖教が備えられていく中、16世紀、忍辱山流を継承していた東大寺重祐が円成寺へ忍辱山流聖教を寄進したことなどがみとめられ、また、17世紀には仁和寺、東寺などへ出向いて忍辱山流聖教を書写した僧侶が出るなど、円成寺聖教形成の一端が明らかとなった。 感染症等により調査研究の進捗に遅れがあるため、成果報告書などについては研究期間を延長して令和6年度に刊行する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍など感染症等の理由により全体的に調査回数が減少したことによる。
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今後の研究の推進方策 |
円成寺所蔵の聖教、古文書、木札、版木等の寺院史料の悉皆調査を完了する。現在調査と同時進行で作成中の目録を完成させ、報告書を刊行する。
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