研究課題/領域番号 |
20K00960
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 (2022) 京都府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
竹内 亮 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 客員研究員 (10403320)
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研究分担者 |
山本 崇 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 室長 (00359449)
黒羽 亮太 山口大学, 人文学部, 講師 (90867392)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 木簡 / 長登銅山跡 / 長門鋳銭司跡 / 周防鋳銭司跡 / 赤外線 / 出土史料 / 出土銭貨 / 官営工房 |
研究開始時の研究の概要 |
山口県域では、長登銅山跡・長門鋳銭司跡・周防鋳銭司跡などの古代遺跡から多数の文字資料が出土している。これらは、銭貨生産体制の下に組み込まれていた当地域の古代政治・社会の実態解明にとって貴重な史料群であるが、十分な釈読調査が不足している。本研究では、このような古代の山口県域の出土文字資料を用いて当地域の歴史的特徴を解明するため、赤外線デジタルカメラ装置を使用して文字の釈読を行い、『山口県古代出土文字資料集成』の刊行を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の第3年目に当たる令和4年度は、山口県美祢市等における現地調査を伴う研究を実施した。美祢市では、美祢市教育委員会事務局文化財保護課のご協力により、美祢市長登銅山文化交流館および長登銅山跡整理室における現地調査を昨年度に引き続き実施した。また、奈良文化財研究所が撮影した長登銅山跡出土木簡群(保存処理済)のデジタル写真、ならびに奈良文化財研究所がデジタル化を行った同木簡群の実測図・木簡台帳・記帳・赤外テレビ写真等のデータ一式を、美祢市教育委員会事務局文化財保護課からお借りし、これらの資料や現地における木簡実物観察の所見に基づいて、長登銅山跡出土木簡群の釈読調査を進めた。山口県域以外では、豊前をはじめとする北部九州地方など古代銅生産に関係する地域での調査を実施した。本研究に関わる令和4年度の主な研究成果としては、九世紀の史料に記された年間鋳銭額に関する通説に再検討を迫り、旧銭の改鋳を前提とする鋳銭額の変遷を明らかにした論文「法定鋳銭額からみた平安前期の周防鋳銭司」、国家の象徴としての古代銅銭の意義や貨幣発行における天皇の意志の発現について述べた報告「日本古代貨幣の誕生と終焉」、7世紀から9世紀までの貨幣鋳造機関の変遷を通覧した報告「日本古代の貨幣鋳造機関―飛鳥池遺跡から周防鋳銭司まで」、貞観年間から銅銭鋳造終焉までの貨幣鋳造機関の変遷を概観した論文「九~十世紀の貨幣鋳造機関」などがある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、新型コロナウィルス感染拡大に伴う行動制限等の事態により、山口県域をはじめとする各地への出張調査が思うように実施できなかった。今後は、調査計画や本研究の目標も含めて全般的に再検討し、研究計画の練り直しを図りたい。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、山口県域の銅生産・銅銭鋳造関係遺跡から出土した木簡の調査成果にもとづいて史料集成を作成し、古代の周防・長門両国における政治・社会的地域特質を解明するという目標を立てていた。これらの遺跡の中でも特に多数の木簡が出土した長登銅山跡については、調査にご協力いただいている木簡所蔵機関の美祢市とも協議した上で、目標設定について再検討していきたい。
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