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1920年代における在日朝鮮人への暴力とその記憶の継承

研究課題

研究課題/領域番号 20K00963
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03020:日本史関連
研究機関早稲田大学 (2021-2023)
東京女子大学 (2020)

研究代表者

藤野 裕子  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70386746)

研究分担者 宮本 正明  大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (20370207)
愼 蒼宇  法政大学, 社会学部, 教授 (80468222)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード在日朝鮮人史 / 暴力 / 記憶の継承 / 関東大震災 / 在日朝鮮人
研究開始時の研究の概要

本研究は、1920年代を対象に、日本社会における朝鮮人に対する暴力行使の実態を解明し、地域社会におけるその記憶の継承のされ方を明らかにすることを目的とする。1920年代には、日本内地で関東大震災時の朝鮮人虐殺が起きたほか、震災時以外にも、工事現場などで日本人労働者による朝鮮人労働者の襲撃・殺害事件が起きていた。本研究は各地の朝鮮人に対する暴力の実態を広域に調査することで、1920年代における日本の植民地統治の特徴を国家と民衆の両面から再考し、同時に、地域社会のなかで朝鮮人への暴力の記憶がいかに継承されたか(されなかったか)を明らかにする。

研究実績の概要

本研究は、1920年代を対象に、日本社会における朝鮮人に対する暴力行使の実態を解明し、地域社会におけるその記憶の継承のされ方を明らかにすることを目的としている。

今年度は、昨年度に引き続き、東北地方における朝鮮人に対する暴力行使の実態を明らかにすべく、宮城県・秋田県において、周辺資料を含む関係資料を調査した。合同で実施した調査は以下のとおりである。第一に、2023年9月(宮本)と2024年3月(宮本・藤野)の2回にわたり、新設された仙台市公文書館において、所蔵する関係公文書の調査を行った。公開請求に時間を要したこともあり、2023年度内に実施できたのは部分的な調査にとどまっているため、次年度に遺漏調査を実施する予定である。第二に、2024年2月に秋田県公文書館・図書館での調査を行った(愼・宮本・藤野)。おもに、秋田魁新報その他の地域新聞を調査し、朝鮮人に対する暴力事件関係記事を収集し、成果を得た。第三に、2024年3月に宮城県立図書館・公文書館において調査を行った(宮本・藤野)。特に地域新聞を精査したほか、準警察組織の実態を示す資料につき成果を得た。

このほか、それぞれの調査実施日において、研究代表者・分担者による研究報告会を開き、成果と課題を確認し、議論した。また、これまでの研究成果のうち、関東大震災時の朝鮮人虐殺に関する研究成果を、『大原社会問題研究所雑誌』の特集「関東大震災100年――虐殺研究をめぐる課題と新しい視点」に研究代表者・分担者の3名がそれぞれ発表した(2023年10月・12月号)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年・21年度は、新型コロナウィルス感染症によって史料調査に行くことができず、進捗が遅れていたが、最終年度であった22年度および期間延長した23年度には、それぞれ年に2回以上の調査を実施することができた。これにより、着実に成果を上げることができ、研究の方向性が固めることができた。しかし、昨年度だけでは、2年度分の遅れを取り戻すことができなかったため、期間を再延長して、本年度の成果をもとにさらなる調査を行う必要がある。以上から、「やや遅れている」とした。

今後の研究の推進方策

計画段階は北海道にまで対象を広げた広域の調査を予定していたが、22・23年度に確認した史料の残存状況を踏まえ、期間再延長の24年度には秋田・宮城・岩手に調査対象を限定し、より徹底した調査を推進する。具体的には、①秋田県立図書館での地域新聞の調査と記事目録の作成、②仙台市公文書館での遺漏調査、宮城県図書館での地域新聞の遺漏調査と目録作成、③気仙沼町立図書館での地域新聞の遺漏調査と目録作成、④岩手県の公文書調査を実施する予定である。

また、研究成果の発表については、年度内に関係論文を発表する予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (25件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 5件) 図書 (7件)

  • [雑誌論文] ・「『征韓紀行』―立教学校への留学生の受け入れを伴った朝鮮視察の記録2024

    • 著者名/発表者名
      宮本正明
    • 雑誌名

      立教学院史研究

      巻: 20 ページ: 126-162

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 軍隊の朝鮮人虐殺をめぐる前史 : 間島虐殺経験からの再検討2023

    • 著者名/発表者名
      愼 蒼宇
    • 雑誌名

      大原社会問題研究所雑誌

      巻: 781 ページ: 5-21

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 軍隊による朝鮮人虐殺 : 植民地戦争経験の蓄積という視点から2023

    • 著者名/発表者名
      愼 蒼宇
    • 雑誌名

      歴史評論

      巻: 881 ページ: 16-28

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 植民地朝鮮における関東大震災の受けとめ方―震災時の流言・虐殺に対する姿勢を中心に2023

    • 著者名/発表者名
      宮本正明
    • 雑誌名

      大原社会問題研究所雑誌

      巻: 782 ページ: 16-34

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] そこに日本人女性はいたのか ー関東大震災時朝鮮人虐殺のジェンダー史的考察2023

    • 著者名/発表者名
      藤野裕子
    • 雑誌名

      大原社会問題研究所雑誌

      巻: 782 ページ: 35-51

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 方法としての「民衆史」 : サバルタン研究と「交差性」概念を手がかりに2022

    • 著者名/発表者名
      藤野裕子
    • 雑誌名

      民衆史研究

      巻: 103 ページ: 55-69

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Urban Riots and the Everyday Practice of Male Laborers in Prewar Japan2022

    • 著者名/発表者名
      Yuko Fujino
    • 雑誌名

      Journal of Urban History

      巻: 48 号: 5 ページ: 1031-1045

    • DOI

      10.1177/00961442221078917

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 朝鮮「暴徒」像の形成-義兵戦争と日本の郷土新聞2022

    • 著者名/発表者名
      愼 蒼宇
    • 雑誌名

      大原社会問題研究所雑誌

      巻: 765 ページ: 19-41

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 朝鮮近代史の立場から-「植民地戦争」の視点から見た日本の植民地支配責任2022

    • 著者名/発表者名
      愼 蒼宇
    • 雑誌名

      学術の動向

      巻: 27 ページ: 54-58

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 2021年度歴史学研究会大会報告批判(近代史部会)2021

    • 著者名/発表者名
      愼蒼宇
    • 雑誌名

      歴史学研究

      巻: 1017 ページ: 42-44

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 一九〇七年「露探」殺人事件にみる「まつりのあと」2020

    • 著者名/発表者名
      藤野裕子
    • 雑誌名

      日本歴史

      巻: 870 ページ: 41-48

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「朝鮮植民地戦争」の視点から見た武断政治と三・一独立運動2020

    • 著者名/発表者名
      愼蒼宇
    • 雑誌名

      朝鮮史研究会論文集

      巻: 58 ページ: 85-126

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 取調記録を通じてたどる「二・八独立宣言」への道程2020

    • 著者名/発表者名
      宮本正明
    • 雑誌名

      在日朝鮮人史研究

      巻: 50 ページ: 39-66

    • NAID

      40022423333

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 神奈川における朝鮮人虐殺の背後にある植民地戦争経験を読み解く2024

    • 著者名/発表者名
      愼 蒼宇
    • 学会等名
      明治学院大学国際平和研究所(PRIME)公開研究会「関東大震災時の朝鮮人虐殺、新資料から読み解く―姜徳相・山本すみ子共編『神奈川県関東大震災朝鮮人虐殺関係資料』をめぐって」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 近代日本都市暴動と男性労働者文化2023

    • 著者名/発表者名
      藤野裕子
    • 学会等名
      日本史学会(韓国)学術大会「関東震災100年:民衆暴力と歴史的な記憶」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 近代日本の都市における民衆暴動の研究をめぐって2022

    • 著者名/発表者名
      ロバート・エスキルドセン、藤野裕子
    • 学会等名
      ICUアジア文化研究所主催ワークショップ「歴史のなかの暴力と社会」
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] コメント:政治暴力への視点2022

    • 著者名/発表者名
      藤野裕子
    • 学会等名
      第31回西日本ドイツ現代史学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 朝鮮近代史の立場から-「植民地戦争」の視点から見た日本の植民地支配責任-2021

    • 著者名/発表者名
      愼蒼宇
    • 学会等名
      日本学術会議シンポジウム(アジア研究・対アジア関係に関する分科会主催)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 植民地化・脱植民地化の比較史(愼蒼宇担当部分「日本の植民地化と朝鮮の民族運動-「植民地戦争」の視点から」25-60)2023

    • 著者名/発表者名
      小山田 紀子、吉澤 文寿、ウォルター・ブリュイエール=オステル
    • 総ページ数
      544
    • 出版者
      藤原書店
    • ISBN
      9784865783797
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 「下から」歴史像を再考する-全体性構築のための東アジア近現代史2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤 俊介、小川原 宏幸、愼 蒼宇編
    • 総ページ数
      430
    • 出版者
      有志舎
    • ISBN
      9784908672552
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 原典朝鮮近代思想史3-近代改革をめぐる抗争(甲午農民戦争から大韓帝国まで)2022

    • 著者名/発表者名
      責任編集趙景達・編集協力愼蒼宇
    • 総ページ数
      432
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      9784000268172
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 和解をめぐる市民運動の取り組み―その意義と課題2022

    • 著者名/発表者名
      外村大編
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750354019
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 日韓の歴史をたどる-支配と抑圧、朝鮮蔑視観の実相2021

    • 著者名/発表者名
      赤旗編集部
    • 総ページ数
      144
    • 出版者
      新日本出版社
    • ISBN
      9784406065917
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 民衆暴力 一揆・暴動・虐殺の日本近代2020

    • 著者名/発表者名
      藤野裕子
    • 総ページ数
      220
    • 出版者
      中央公論新社
    • ISBN
      9784121026057
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 「朝鮮三・独立運動100年一その歴史認識をめぐって」内海愛子ほか『日韓の歴史問題 をどう読み解くかー徴用工・日本軍「慰安婦」・植民地支配』2020

    • 著者名/発表者名
      愼蒼宇
    • 出版者
      新日本出版社
    • ISBN
      9784406064811
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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