研究課題/領域番号 |
20K00973
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
末松 剛 九州産業大学, 地域共創学部, 教授 (20336077)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 即位式 / 絵図 / 儀式書 / 高御座 |
研究開始時の研究の概要 |
令和の代替わりを契機として、新発見された、あるいは未紹介であった即位儀礼関連史料が、各地の博物館や資料館で近年展示されている。それらの中でも即位式を描いた絵図は、記録性の高い史料としてとくに注目される。 そこで、本申請課題では、即位儀礼に関する絵画史料の史料学的研究に取り組み、即位儀礼を運営し伝えていくために先人が果たした「記録と伝承」の歴史的意義を解明することを目的とする。史料的価値を見定めるために、古記録・儀式書の調査も合わせて行う予定である。
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研究実績の概要 |
即位式絵図および即位式に関する文献に基づいた論考として、2022年に同志社大学人文科学研究所主催公開講演会のブックレットに「即位式絵図にみる宮廷儀礼の世界」と題する報告をしている。2021年、2022年にそれぞれ共著所収の論考として「即位式における高御座登壇の再検討」「平安時代の即位式における外弁公卿について」を発表してきた。これらはいずれも、参列者の装束に着目し、それらを有職故実とくに服飾故実の視点から分析することで、即位式の現場と歴史的変遷を政治史の展開と絡めつつ読解した内容である。 そして本年度は、後述のように一年を通じて実りある史料調査を行うことのできた年であったが、学会発表・論考においても、9月に「即位式絵図をめぐる諸問題―紫宸殿上の後見をめぐって―」と題する口頭報告を同志社大学の研究会で行い、12月には学術雑誌に依頼原稿として論考「宮廷儀礼史における藤原道長-即位式における高御座登壇をめぐって-」を発表することができた。これらはいずれも平安時代の即位式に関する研究論文である。 近世即位式の絵図読解のためには、文献も合わせて理解しておかねばならず、前近代を通じて即位式の動向を文献を通じて抑えることになる。その実績をふまえ、あらためて平安期の記事をみつめることで得られた読解を、本科研課題の期間を通じて論じることができている。 なお3月には日本史研究会例会「藤原頼通政権を考える」に報告者の一人として登壇し「宮廷儀礼史における藤原頼通」と題する報告を行っている。その内容は『日本史研究』特集号として刊行される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年8月から10月末にかけて、勤務先で国内研修の機会を得、研修課題を本科研課題としたことで、東京を中心に各史料所蔵機関(国立公文書館、宮内庁書陵部、尊経閣文庫など)において継続して調査を行うことができた。とくに研修先である東京大学史料編纂所に在籍したことで、東京大学総合図書館など、学内の史料を直接調査できたことは、大きな収穫であった。 また、国文学研究資料館のデータベースを活用して、『国書総目録』以外に即位式絵図や関係文献を所蔵する機関を知ることができた。盛岡、津、和歌山というこれまで把握していなかった史料の所在を確認し、研修期間のため速やかに調査できた点も、大きな収穫である。 調査は主に、許可されれば自前のデジタルカメラで撮影し、そうでない場合はデータの頒布を受けたり、史料の特徴を筆記したりして対応した。 大まかな傾向はつかめているので、これらをどのように報告書にまとめるか、とくに挿図として掲載可能なものを選択し、所蔵機関とも相談の上、実りある報告書に仕上げることが、最終年度の課題である。コロナ禍で出張もままならない1年目からスタートしたが、本格的に年間を通じて調査ができた1年であった。
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今後の研究の推進方策 |
複数の研究機関・史料所蔵機関で調査を行い、近世即位式絵図に関する知見を得ることができた。わずかであるが購入する形で入手した史料もある。それらを体系的に整理して、江戸時代の即位式の変遷とリンクさせながら、即位式絵図の動向を史料学的研究として報告書にまとめることが、一年延長した最終年度の課題である。 コロナ禍のため調査に出向くこともできないスタートからであったが、直近の2年間で得られた知見を中心に、学術成果としてとりまとめたい。所蔵機関との調整を要するが、図版を多用した読解を、論述できればと考えている。そのことによって絵図の歴史史料としての魅力、記録資料としての有用性を示すことが、史料学的研究としての課題であると考えている。
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