研究課題/領域番号 |
20K00977
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
武井 基晃 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00566359)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 琉球 / 家譜 / ライフコース / 比較家族史 / 食文化 / 祖先祭祀 / 家系の継承 / 東アジアの儒教社会 / 姓の創設 / 女性 / 首里 / 那覇 / 八重山 / 視覚資料化 / フィールドワーク |
研究開始時の研究の概要 |
琉球士のライフコース研究は、琉球家譜という最適な史料を有しながらも日本史・東アジア史・歴史人口学の家族・ライフコース研究との連携が不十分でした。そこで琉球家譜―多数の琉球士の一門の200年超に及ぶ子女の履歴と婚姻・養子関係の集成―に蓄積された琉球士のライフコースを解明し、地域研究を越えた議論を目指します。 家譜の分析にあたり、視覚資料化(=見える化)を施して同一フォーマットで効果的に検討する手法を採ります。そこから得られる通時的・共時的・比較的・特論的な分析視角から、琉球における近世から近代までの家族・継承・社会的役割など琉球士の人生を明らかにし、以上を携えて史料をめぐる今日的文脈も検証します。
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研究実績の概要 |
今日の沖縄における近世琉球の士の子孫(=士族系門中)の思考や行動を解明するために、近世琉球の家族制度とこれにもとづく家譜史料(士の男子個々人の履歴書)を資料に論じようとする本研究の課題にそくして、前年度までに続いて東アジア社会の家族史研究との議論を深めながら研究成果を公開できました。 1.学術発表:「家譜にみる琉球士のライフコースと年齢―長命あるいは早逝にともなう孫による継承を中心に―」と題した学会発表(比較家族史学会春季大会、2023年6月24日(土)、関西大学)で、近世琉球の士の一門宗家代々の継承者のライフコースを分析する方法を検討しました。家譜史料から誕生~成年・任官の年齢、父になった年齢、さらに年齢と王府における品位(位階)の昇進の傾向も読み取れることを活用し、①複数の一門間の同時代の水平的な比較、②同じ一門内の代々の成員の垂直的な比較が可能となります。今回特に後者(②)に関連して、一門内の年齢(寿命)の実情を明らかにするための検討事例として、先代の長命あるいは後継候補の早逝によって、先代の孫の代が家統を継承した事例を取り上げた分析成果を報告しました。ここでの議論を経て、同時代に共に過ごした家族を家譜資料から再現する可能性という次の課題を得ることができました。 2.成果公開:近世琉球の士の子孫の方々が、今日の沖縄でいかに祖先祭祀を執行しているかについて現地でのフィールドワークにもとづいた報告(「沖縄の墓前食―首里の玉陵・那覇の久米村系の清明祭および石垣島の十六日祭の新型コロナ禍直前の調査―」(『国立歴史民俗博物館研究報告』241)、265-283頁、2023年4月)が刊行されました。また、関連した論文(「沖縄の日本本土復帰前・後における琉球料理の記録と分析―食文化としての動物性蛋白質の摂取―」(『同』241)181-225頁 2023年4月)も発表されました。
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