研究課題/領域番号 |
20K00978
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
高橋 美貴 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (90282970)
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研究分担者 |
佐藤 大介 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (50374872)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 地域環境史 / 流域 / 土砂 / 鉄 / 砂鉄 / 森林 / 気候変動 / 日本近世 / 流域史 / 鉄・砂鉄 / 河川 / 地域史 / 環境史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、前近代日本における鉄生産の2大拠点である東北地方(旧仙台藩)と中国地方(島根県)とを事例として、社会的・生活圏的に関係が薄く、距離的に離れた地域であっても、流域という自然を介した連環のもとで分かちがたく結びついている地域の歴史的変動を、鉄・森林・土砂などをキーワードとしながら描くことである。それを通して流域史と環境史という視点を意識しながら、新たな地域史研究の視点と方法について検討を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究は、近世における鉄生産拠点のひとつであった東北地方、なかでも仙台藩を主な事例として、社会的に関係が薄く、距離的に離れた地域であっても、流域という自然を介した連環のもとで結びついている地域の歴史的変動を、鉄・森林・土砂などをキーワードとしながら実証的に描くことを試みたものである。流域史と環境史という視点を意識しながら、新たな地域史研究の視点と方法について検討を試みた。分析対象地域では、気候変動ともリンクしつつ鉄の増産が18世紀後半から促され、それが河川への土砂流出や森林資源の減少などの環境的変化を流域にもたらし、それがさらに地域社会や政策にも影響を与えていく過程を描き出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鉄は文明の成立にとって不可欠なものである。日本列島の前近代社会においても、それは同様であった。ことに農業生産の発展を支えた鉄製農具や民衆的な流通に大きな影響力を持った銭の大量供給なども、鉄なしにはありえなかった。一方で、それは鉄の増産を促し、森林資源や原料たる砂鉄生産を起点とした河川への土砂流出などを介して、山‐川‐海からなる流域環境に大きな影響を与えることになった。本研究の意義は、近世東北地方を事例に、近世社会の生産力や経済の発展がもたらした地域環境への負荷とそれに対する対応の歴史を、鉄生産に視点を置きながら地域環境史の観点から捉え返した点にある。
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