研究課題/領域番号 |
20K00980
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
櫻澤 誠 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (90531666)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 日本史 / 近現代史 / 尚家 / 尚家文書 / 沖縄 / 東京 |
研究開始時の研究の概要 |
まず2020年度(1年目)前半は、沖縄・東京を中心とした広範な史料収集に注力する。そのうえで、以降も史料収集は継続しつつ、2020年度(1年目)後半から2021年度(2年目)には「①沖縄県設置(1879年)から尚泰死去・首里での葬儀(1901年)まで」の検討を行う。続いて、2022年度(3年目)には「②尚典への代替わり(1901年)から沖縄戦(1945年)まで」の検討を行う。さらに、2023年度(4年目)には「③敗戦・占領(1945年)から日本への復帰(1972年)まで」の検討および本研究全体をまとめる作業を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、尚家の近現代史についての実証的研究を行い、東京・沖縄を結ぶ旧支配層ネットワークの形成過程およびその社会的影響力について明らかにすることである。3年目となる今年度は、引き続き広範な史資料収集を行うとともに、「尚典への代替わり(1901年)から沖縄戦(1945年)まで」についての検討などを行った。 広範な史資料収集については、特に、那覇市歴史博物館において、近代「尚家文書」についての充実した調査を引き続き行うことができ、デジタルデータ化の作業も進展した。また、所属大学が未所蔵の沖縄近現代史関連文献を購入収集した。 さらには、デジタルデータ化した史料を含め、近代「尚家文書」を用いた共同研究を行う場として、那覇市歴史博物館を事務局とした「近代尚家文書研究会」を2022年5月に立ち上げ、2022年度内には5回の研究会を実施した。 雑誌論文としては、戦中・戦後初期における在本土沖縄人について、尚侯爵家の動向に着目し、その東京を中心としたネットワークのなかから再検討した、「戦中・戦後初期における在本土沖縄人の動向―尚侯爵家を中心とした再検討―」(『年報日本現代史』27、現代史料出版、2022年12月)を発表した。また、新たにデジタルデータ化して公開されることになった、国宝未指定分「尚家文書」についての概要を整理し、そのうちの「儀礼」簿冊について考察した、「[研究ノート]国宝未指定分「尚家文書」についての基礎的考察」(『歴史研究』60、大阪教育大学歴史学研究室、2023年3月)を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、前年度と同様、史資料収集に力を注ぐとともに、「尚典への代替わり(1901年)から沖縄戦(1945年)まで」についての検討などを進めることができた。 そうしたなかで、史資料収集については、引き続き行った那覇市歴史博物館での近代「尚家文書」についての調査によって、さらに進展させることができた。 成果としても、2件の論文発表(うち1件は研究ノート)を行うことができた。一層充実した成果を達成していく必要はあろうが、一定の水準は満たすことができたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
史資料収集については、前年度までと同様、特に、那覇市歴史博物館において、近代「尚家文書」についての調査を行い、デジタルデータ化の作業を進める予定である。聞き取りについても対象者を検討し進めていく。 以上の調査をふまえ、2023年度には「敗戦・占領(1945年)から日本への復帰(1972年)まで」についての検討をさらに進めた上で、本研究全体をまとめる作業を行う予定である。 また、研究の進展に応じて、各種団体の調査対象や聞き取り対象を広げたり、個人所蔵史料の調査を追加実施することなどによって、収集史料を充実させ、改善を図っていく。 さらには、研究を停滞させずに円滑に進めるための新たなアイディアを得られるよう、学会・研究会には積極的に参加し、沖縄を専門とする研究者だけでなく、関連諸分野の研究者と意見・情報交換を積極的に行っていく。特に、2023年度も引き続き、定期的に「近代尚家文書研究会」を開催する予定である。
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