研究課題/領域番号 |
20K00982
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
大日方 克己 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (80221860)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 出雲 / 神話 / 伝承地 / 歴史意識 / 出雲国風土記 / 国引 / 野見宿禰 / 国引神話 / 神話由来地 / ヤマタノオロチ / 内山真龍 / 古代出雲 / 出雲風土記抄 / 出雲風土記解 |
研究開始時の研究の概要 |
神話的な「古代出雲」像が、近世から近代の出雲・島根県地域の歴史のなかで、地域が共有する歴史意識としてどのように創られ、展開してきたかを研究する。具体的には、近世の風土記考証書、地誌類、名所図会、旅日記類、および近代の風土記解説書、地方誌、研究書などを収集、整理し、地域や地名が風土記地名、記紀神話由来地として結びつけられていく過程を検討することにより、神話や神の出雲というイメージが地域の歴史意識として共有され、出雲のイメージとして全国に広がっていったのかを明らかにしていく。
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研究成果の概要 |
内山真龍がどのように出雲国踏査を行い、それがどのように『出雲風土記解』などに結実し、古代出雲像の形成につながっていったのかを、具体的に明らかにした。また出雲国風土記に記されている出雲国形成神話である国引神話が、近代において戦争と結びつきながら日本の国土拡大神話へと転化していった様相を明らかにした。さらに、出雲国からヤマトの朝廷に呼び寄せられ當麻蹶速と相撲を取った野見宿禰の伝承地がいつ、どのように形成され、顕彰されていったかを明らかにした。 これらを通じて、出雲という地域と神話的古代像、神話的古代出雲像と歴史意識形成の様相の一端を提示することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神話・伝説の伝承地の形成と神話的古代の実体化の一端を明らかできたことは、神話・古代とつながる地域の歴史意識の形成の問題を考えるためにも重要な成果である。その問題は同時に、歴史認識とは何か、歴史とは何かという根源的な問いでもある。その問いを通じて、現在の古代史認識を再検討し、新たな古代史像をつくるための基礎的な成果を示すことができだ点に、学術的意義があり、またた地域の歴史像を見直し、今後の地域社会のあり様に対する課題を提示するという現代の社会に対する意義もある。
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