研究課題/領域番号 |
20K00986
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
川尻 秋生 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70250173)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 東アジア古文書学 / 綸旨 / 宣旨 / 比較古文書学 / 不空三蔵表制集 / 古代古文書学 / 東アジア |
研究開始時の研究の概要 |
中国史料にみられる宣旨・綸旨を分析し、どのように日本に伝来したのかという点を明らかにする。また、朝鮮史料にみられる宣旨を抽出した上で、日本の宣旨・綸旨とこれらの国々のそれらを比較して、特徴を明らかにする。 また、日本の古文書学は、公式令に規定される様式以外については、今まで国内だけで完結する傾向にあったが、東アジアの視点から俯瞰し、「東アジア古文書学」の成立の可否について検討する。
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研究成果の概要 |
本研究は、日本古代の古文書の様式を東アジアの古文書学の中に位置づけ、相互比較を行うことを目的とした。その結果、日本の綸旨・宣旨などは唐制に遡ることが確認できた。唐の綸旨は皇帝の意思を伝える文書の総称であり、宣旨は皇帝の口頭を示す文書の総称として位置づけられていたことが確認された。古代の日本では、これらの文書を僧侶が主体になって輸入し、後に独自の様式として進化したのであった。また、朝鮮でも宣旨が確認され、皇帝の意思を伝える文書として機能していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究から、東アジアの古文書を総体的に研究することによって、それぞれの地域の特色を抽出できることが確認できた。こうした研究はこれまで行われたことはなく、今後、深化させることで、東アジア世界の共通性と異質性を明らかにすることができることが、確認できた。 従来、日唐の律令比較に留まっていた古代の比較史研究に新たな分野を確立することが可能となり、しかもも中国のみならず、朝鮮半島との比較が可能になった意義は大きいと考える。今後は、ベトナムなど、他の地域の国々の古文書も比較検討し、「東アジア比較古文書学」という研究分野を構築したい。
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