研究課題/領域番号 |
20K00987
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
後藤 敦史 京都橘大学, 文学部, 准教授 (60710671)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 幕末 / 大阪湾 / 海防 / 台場 / 摂海 / 幕末政治 / 幕末外交 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、大阪湾を軸に、幕末の政治史・外交史を再検討することを課題とする。幕末期の大阪湾は、国内政局の動向に応じて、防備態勢が一挙に固められた。一方、欧米諸国は、日本に対する軍事行動を計画する上で、大阪湾を重視していた。幕末期において、大阪湾は重要な場であった。本研究は同湾をフィールドとすることで、海防史、政治史、外交史などの成果を総合し、幕末史全体を新たな視点で描くことを目指す。
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研究実績の概要 |
新型コロナの感染拡大により、2020、21年度には出張を伴う資料調査が十分に行えなかったが、当該年度(2022年度)においては、国立公文書館、国立国会図書館、東京都立図書館、鳥取県立博物館で調査を行うことができた。とりわけ、東京都立図書館所蔵の水野家文書、鳥取県立博物館所蔵の鳥取藩政資料に関しては、当初の研究実施計画では実施の初年度に調査する予定だったものであるが、ようやく調査ができた次第である。 当該年度の研究成果としては、2020年度に実施した福山藩阿部家の資料調査の成果の一部も利用するかたちで、『阿部正弘―挙国体制で黒船来航に立ち向かった老中』(戎光祥出版、2022年10月、単著)を刊行することができた。また、外国艦による大阪湾も含む港湾測量の問題に関して、『中国国家博物館館刊』で学術論文(中国語)を発表する機会を得て、その作成を行った(提出・受理済。2023年度に刊行予定だが、刊行号等は未定)。さらに、研究成果を広く社会全体に還元するという点では、2023年3月4日に「堺台場研究会」で、大阪湾防備と堺台場に関する講演(招待講演)を行い、本研究課題の成果の一部を一般市民向けに紹介した。そのほか、『論点・日本史学』(岩城卓二ほか編、ミネルヴァ書房、2022年8月)、『幕末維新史への招待』(町田明広編、山川出版社、2023年4月)に、本研究課題の成果の一部を反映させた論考を寄稿した。 研究開始から2、3年ほど経過し、学術論文に加え、一般向けの書籍や講演会で、本研究課題の成果を社会に還元することがようやくできるようになってきた。2023年度の最終年度においては、さらに研究を進め、研究実施計画に照らした研究目的の達成をめざしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内の文書館、博物館等での調査に関しては、いわゆる「コロナ前」と同じように実施することができるようになり、2020・21年度の遅れを取り戻すかたちで、順調に進めている。その一方で、海外史料の調査がほとんどできておらず、刊行された英字史料の活用にとどまっている。日本側の史料、および海外史料の併用により、幕末大阪湾をめぐる政治史・外交史を多面的に見ることが本研究課題には重要であり、その点で、研究計画に照らして「やや遅れている」と評価せざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の最終年度にあたる2023年度においては、実施できていない国内の資料調査に加え、海外での資料調査も実施する。また、これまでに入手してきた史料(刊行されたもの、一次史料の双方)の読解をさらに進めるとともに、研究成果の公開のための学術論文等の作成を進める。
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