研究課題/領域番号 |
20K00991
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
位田 絵美 近畿大学, 産業理工学部, 教授 (30353345)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 長崎旧記類 / 異文化交流 / 異文化認識 / 『続長崎鑑』 / 『増補華夷通商考』 / 「長崎旧記類」 / 『長崎始原』 / 『長崎根元記』 / 対外認識研究 / 異事奇聞 |
研究開始時の研究の概要 |
国際化が進む現代、我々の無意識の異文化認識を分析・解明するには、その基底となる前近代の異文化認識の形成過程を分析・解明する必要がある。特に為政者側から見た異文化認識でなく、民衆レベルの国際交流を理解するには、多様な視点から異文化認識を分析・理解しなければならない。 そこで、近世期に対外に開かれた長崎の地で、民衆が残した膨大な写本群「長崎旧記類」に着目した。そこには公文書にはない民衆が体感した多彩かつ重要な記述や異文化認識が存在する。だが、膨大かつ複雑な内容を有するため、それらの分析はほぼ手付かずの状態である。本研究では未刊・未翻刻の「長崎旧記類」を発掘し、新たな異文化認識を分析・解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、江戸時代に長崎の民によって書き継がれ、編纂された未刊の写本群「長崎旧記類」の実態を解明することである。当時の長崎は、国内で最も活発に異文化交流が行われていた場所である。長崎の民は自ら体験した異文化交流を、子孫や長崎のために数多く書き残した。本研究では「長崎旧記類」の分類を行ってその系統を明らかにし、官撰書とは異なる民撰書の「長崎旧記類」が後世に何を伝えようとしたのかを解明する。「長崎旧記類」は、長崎奉行が関わった『長崎実録大成』のような官撰書ではない。だが、貴重な記録を有するにもかかわらず、成立背景が不明で、内容も複雑多岐なため、長らく看過されてきた。本研究ではこのような「長崎旧記類」を丹念に分析し、長崎民衆の異文化交流史に新規性の高い知見を提供する。 令和5年度の研究成果は、『雅俗』第22号、『近世初期文芸』第40号の拙稿で公表し、龍谷大学世界仏教文化研究センター(2024年2月21日 於龍谷大学大宮キャンパス)での講演・討論で公表している。以下、1~3に今年度の研究内容とその成果を示す。 1、長崎・仙台・京都・東京の図書館・資料館で、精力的に原典を見比べながら「長崎旧記類」の収集・分析を行い、それらの系統分類を行った。同時に成立年等の確定した史料を精読した。 2、調査済みの「長崎旧記類」を4種に分類し、その特性を考察した。 3、『続長崎鑑』は、2.の分類で第1種に分類され、「長崎旧記類」編纂の出発点に当たる史料である。同じ書名の『続長崎鑑』が複数存在するが、本研究の分析により、収録内容から覚書・草稿本・巡見使に提出されたものの控え・抄本などに分けられることが明らかになった。今後は、「長崎旧記類」をより詳細に分析し、研究を深化させたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本科研の基盤となる史料の史料調査・収集作業が、コロナ禍の影響で遅れたために、その分析作業にも影響が生じている。これまでの遅れを取り戻すため、令和5年4月以降、精力的に長崎・仙台・東京・京都の図書館・資料館を訪れ、原典を確認しながらの分析作業を推し進めている。その成果が少しずつ出てきており、今後もこの調子で分析を進めれば、十分に遅れを取り戻せると考えている。今後は、これまで集めた史料の分析をさらに進め、「長崎旧記類」の系統分類を行い、それぞれの史料の編纂意図を考察したい。
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今後の研究の推進方策 |
今後も継続して、入手済みの史料の翻刻・分析を推し進めるとともに、直接原典と比較しながらの調査を精力的に実施する。 収集した「長崎旧記類」をその特徴から4種に分類し、系統図を作成する。また、それぞれの史料の内容から、その筆録者の編纂意図を解明する。とくに編著者の意図が確認できる第3種の「長崎旧記類」に着目し、物語の萌芽ついて考察を行う。
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