研究課題/領域番号 |
20K00992
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 就実大学 |
研究代表者 |
三田 智子 就実大学, 人文科学部, 准教授 (80713106)
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研究分担者 |
森下 徹 山口大学, 教育学部, 教授 (90263748)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 岡山藩 / 村落構造 / 地帯構造 / 地域社会 / 備前国 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、まず岡山市立御津図書館蔵の水河家文書(備前国津高郡河内村)の整理作業を行う。それを基盤に同文書を分析し、①一つの村社会が含み、またかかわる諸関係を総体として把握・解明する。さらに、②周辺村や大庄屋組合の史料の分析を通じて、河内村が位置した金川地域の実態的な把握を行う。これらの手順から、③個別村の具体的な分析から藩領社会の特質を考えるための方法を提起することを目的とする。それにより、近年盛行している藩領研究が、総花的に領内社会の諸側面を見ることで藩政と地域社会との総合化を図ろうとすることに対置して、「地域」史研究の成果を藩領研究に生かし、新たな研究段階を切り拓くことを目指す。
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研究実績の概要 |
研究目的である、①岡山市立御津図書館所蔵水河家文書の調査とその公開・地域への還元と、水河家文書の分析を基盤として②岡山藩領における村落構造と〈地帯構造〉の解明に即して2023年度は以下の作業を行った。 1(①):岡山市立御津図書館所蔵水河家文書の整理と目録確認、撮影作業。2023年度には17日の作業を実施した。整理作業には研究代表者が中心的にあたり、岡山市立図書館や就実大学の学生などの協力を得ながら着実に作業を進めることができた。2023年度末には対象史料の約90%について目録化を完了した。また撮影作業も順次すすめ、全体の85%を完了した。地域への還元としては、2024年3月2日に御津公民館の主催で水河家文書研究報告会が開かれ、研究代表者が「江戸時代の宇垣・河内での山の利用」と題して報告を行った。昨年度に引き続き、地元の方が多く参加してくださった。 2(②):2022年度までに蔵出し作業を終えた板津定邦氏宅の史料(二次調査分)について、大学に借り出し、研究代表者と分担者が本格的な調査に着手した。2023年秋以降、定期的に作業をすすめ、おおよその概要を把握することができている。 3(②):これまでに調査を行った水河家文書や板津家文書を検討するため、オンラインでの研究会を2回実施した(8月・3月)。研究代表者と分担者のほかに、調査参加者が複数参加し、報告内容について検討をすすめることができた。報告内容を中心にして、成果を論文として公表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ・ウイルスの感染拡大のため、2020年度・2021年度には①の中心である水河家文書の調査は限定的にしか実施できなかった。2022年度から本来想定していたペースで調査が実施できるようになったが、遅れをとりもどすことはできなかった。ただし2023年度末において、水河家文書の調査完了は見通せる状況にはなっている。 また2022年度から地域での報告会も実施できるようになり、成果を論文として公表することもできている。全体の見通しはたっているが、研究の進捗はやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者・分担者間で緊密に連絡を取り合いながら、水河家文書の調査・分析を着実に進め、研究計画を推進する。史料調査を進めるため、研究代表者が小規模での調査を定期的に実施する。またこれまでの調査成果を基礎にしながら、村落構造・地帯構造をかいめいするための作業も進めていく。オンラインでの研究会も継続し、調査情報や史料検討内容の共有につとめる。
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