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戦後保守ジャーナリズム史の研究 読売と産経の差異と対立、変遷を考える

研究課題

研究課題/領域番号 20K00993
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03020:日本史関連
研究機関立命館アジア太平洋大学

研究代表者

竹川 俊一  立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (80550326)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワードジャーナリズム史 / メディア史 / 日本戦後史 / 全国紙 / 保守主義 / 憲法問題 / 戦争観 / メディアと政治 / 防衛問題 / 日朝関係 / 日本国憲法 / 歴史観 / 新聞 / イデオロギー
研究開始時の研究の概要

1950年代から90年代にわたって保守系全国紙である読売新聞と産経新聞の社説や記事を内容分析するとともに、経営者や編集幹部の言動も検討し、戦後日本の保守ジャーナリズムの思想史を明らかにする。分析対象となる主なテーマは日本国憲法、アジア太平洋戦争、日中・日韓関係である。「保守」と一括りにされる2紙だが、その論調には差異がある。また現在、改憲を強く主張する2紙だが、戦後の一時期には護憲派的な論調も目立っていた。経営者や編集幹部の保守的な言動が注目を浴びることが多い2紙だが、社説や記事を系統だって分析することと、学術研究の対象から外されがちな産経を含めることで独自性のある研究を目指す。

研究実績の概要

本研究は1950年代から90年代にかけて読売新聞と産経新聞の社説と報道記事を検討し、かつ経営・編集幹部らの言動や時代背景を参照することで、これまで系統立った研究がない全国紙における戦後保守ジャーナリズムの思想の多様性と変遷を明らかにし、戦後ジャーナリズム史研究への貢献を目指す。研究テーマは、1)憲法観と国家観、2)戦争観と歴史観、3)中国観と韓国観、4)キャンペーン報道で、保守系2紙の社説を中心に報道記事も分析し、それぞれのテーマで時系列の変化を追い、戦後の全国紙の「保守」を考察し、現在進行中の様々な保守言論(雑誌、インターネットなどで展開中の保守言論など)につながるであろう歴史を明らかにすることも目指している。令和2(2020)年度から始まった研究プロジェクトだが、コロナ禍と重なり、初年度から資料収集のための出張が思うようにできなかった。研究発表のための海外出張もできなかった。またその他の事情も重なり、研究の進捗が遅れている。第1テーマと第2テーマはほぼまとまったが、第3テーマと第4テーマは遅れている。第1テーマと第2テーマに関しては、令和2(2020)年度から令和4(2022)年度にかけて合計4回の国際学会で発表を行った。うち1回は海外開催の学会だが、コロナ禍のため、オンライン発表だった。別の海外開催の国際学会での発表も認められていたが、現地での対面発表だったため、感染を懸念して発表をキャンセルした。第3テーマについては、令和5(2023)年に国際学会で発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究のためには、データベース化されていない産経新聞の1950年代から1990年代の紙面を、東京の国立国会図書館が所蔵するマイクロフィルムで見て、必要な社説や報道記事を探し、コピーする必要がある。つまり、データベースのようにキーワードで検索するのではなく、読売などの社説や報道を参考にしつつ、存在するであろう産経の社説や報道記事が掲載された可能性のある年月日を推測して、マイクロフィルムの中に社説や報道記事を目視で見つける必要がある。また、読売新聞と産経新聞の経営幹部や編集幹部などの言動なども研究対象にしているため、国会図書館などで彼らの著作や彼らに関する著作など資料を入手する必要もある。令和2(2020)年度から始まった研究プロジェクトだが、コロナ禍と重なり、初年度から思うように資料収集のための出張ができなかった。かつ、研究発表のための海外出張もできなかった。また令和3(2021)年度、令和4(2022)年度は研究者の都合も重なった。そのため、研究の進捗も遅れ、予算の繰り越しが続き、思うように予算を執行できていない。令和5(2023)年度は、コロナ感染の可能性がほぼなくなり、東京・国立国会図書館へ出張することに躊躇することがなくなった。同図書館に複数回主張し、産経の社説や報道記事の収集、その他の文献収集を進めることができた。それにより、第1と第2、第3のテーマのフォローアップを行った。主として第2テーマに論文執筆を行った。第3のテーマに関連して、1959年に検討・開始された北朝鮮帰国事業(日本政府が在日朝鮮人による朝鮮民主主義人民共和国への「帰国」を援助した事業)を読売と産経がどう論じ、どう報じたかを分析し、学会発表した。いずれにせよ、進捗が遅れているため、令和6(2024)年までの延長を申請し、延長が認められた。

今後の研究の推進方策

令和5(2023)年度が研究計画の最終年度だったが、延長を申請し、延長が認められた。令和5(2023)年度は、第2テーマである「戦争観と歴史観」のまとめと、第3テーマに関連する1959年に開始された北朝鮮帰国事業の社説、報道記事の収集と下書き、第1テーマのフォローアップに集中した。第2テーマは論文としてまとまったので、令和6(2024)年度早期に査読付き学術誌に投稿する。さらなる論文執筆を進める。具体的には第1テーマの論文を大学の夏季休暇までにまとめる。また、第3テーマの一部ともなる1959年に開始された北朝鮮帰国事業に関する読売と産経の研究は、他の研究者の朝日と毎日の同事業に関する研究と合わせて、論文にし、査読付き学術論文誌に投稿する。自分の担当部分は、先々、まとめあげる所存の保守全国紙に関する書籍に含める意向である。一方、遅れている第3テーマと第4テーマに関しては、産経の社説や報道記事などの資料収集に尽力する。他のテーマの研究をまとめあげる。東京・国会図書館への出張、英文論文のための翻訳や添削、海外開催の学会出張などのための科研費を使用させていただく予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 2021 2020

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件)

  • [学会発表] How Conservative Newspapers, Yomiuri and Sankei, Framed the Repatriation Project of Zainichi Koreans to North Korea in 19592023

    • 著者名/発表者名
      Takekawa Shunichi
    • 学会等名
      Asia Pacific Conference 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Supporters for Nuclear Abolition or Deterrence? : What the Japanese Conservative Newspapers Discussed on Atomic-Bomb Day2022

    • 著者名/発表者名
      竹川俊一
    • 学会等名
      Asia Pacific Conference 2022
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] How Differently Yomiuri and Sankei Shinbun View the Sino-Japanese and Asia Pacific Wars: A Study of the Pacifism and the Commemoration of War Dead Embraced by Conservative Newspapers in Japan2022

    • 著者名/発表者名
      竹川俊一
    • 学会等名
      Association for Asian Studies 2022 Annual Conference
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Value-oriented Diplomacy and Major Newspapers in Japan: Divided Conservatives and a Frustrated Liberal2021

    • 著者名/発表者名
      竹川俊一
    • 学会等名
      2021 Asia Pacific Conference
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Why and How a Conservative Newspaper in Japan Embraces Democracy: A Study of Editorials of Sankei from 1950s to 2000s2020

    • 著者名/発表者名
      竹川俊一
    • 学会等名
      18th Asia Pacific Conference
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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