研究課題/領域番号 |
20K00996
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
福岡 万里子 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (50740651)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 日本開国史 / 日米関係史 / タイ西洋関係史 / 東アジア国際関係史 / 幕末外交史 / 明治維新史 / ハリス / 東インド海域史 / アメリカ / イギリス / オランダ / 通商条約 / バウリング / 条約勅許 / 主権者 / 批准 / ジョン・バウリング / タウンゼント・ハリス / 19世紀 / 貿易と外交 / 主権の所在 / 日本認識 / 日蘭関係史 / ドンケル・クルチウス / P. F. v.シーボルト |
研究開始時の研究の概要 |
幕末に徳川政権が結んだ西洋諸国との修好通商条約は、その後世紀転換期に明治政府が条約改正を実現するまで四半世紀以上の間、近代日本の「開国のかたち」を決定づけた。本研究は、この「開国のかたち」が形作られた過程を、様々な「かたち」の候補が構想された中で、西洋列強間の国際的相剋と幕府内外の開国方針をめぐるせめぎ合いを経て特定の候補が 勝ち残り、施行され、かつ再調整がなされていった過程と捉え、その実態を多言語史料から見直すことで、日本開国史の国際関係史としての再構築を図る。
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研究成果の概要 |
本研究課題全体の基盤となる調査成果として、まず、ニューヨーク市立大学図書館所蔵のハリス文書中に保存される帳面5冊分のハリス発信書翰群について、網羅的な調査翻刻分析を進め、全書翰についてその作業を終了した。この調査成果を基盤とし、ほか関連史料・文献の調査に基づいて、研究期間中に、「バウリングとの比較からみるハリスの対シャム条約交渉」及び「日本の主権者は誰なのか」という論文を執筆し、前者は研究代表者が編者を務める論集として、後者は学会誌の特集号の収録論文として、刊行に至った。この他、関連する論考の執筆や研究報告を行い、「日本開国史の再構築」という研究課題の達成のため前進した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本開国史の解明のため、日米修好通商条約を交渉調印したハリスの記録は決定的重要性を持つ。しかし彼の史料は日記の他は研究が進まずほぼ未開拓であってきた。彼の膨大な発信書翰群が未翻刻であることが、研究の重大な阻害要因であってきたが、本研究課題の遂行によって、NY市立大学ハリス文書に残る彼の発信書翰群は全て翻刻と内容分析の作業が終了した。この調査成果を中核として、本研究期間中に最初の論文成果を複数発表し、今後も成果をまとめていく予定である。それを通じて構築される学術的知見は、日本開国史像の再構築に寄与するとともに、明治維新期の日本が置かれた国際的環境のより深い理解のため貢献し得ると考えられる。
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