研究課題/領域番号 |
20K01015
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大野 晃嗣 東北大学, 文学研究科, 教授 (50396412)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 明代公文書 / 官僚制 / 明清中国 / 文書行政 / 明清官僚制度 / 科挙 / 公文書 |
研究開始時の研究の概要 |
(1)ヨーロッパ、特にオランダ、イタリア、ドイツ、フランスを対象に、中国近世の「科挙」と「官僚制」(特に人事制度)に関する公文書・文物を中心に調査する。その上で、18,19世紀の西洋知識人が、これらの史料からどのような中国認識を得たのかを考察する。 (2)日本に現存する「科挙」「官僚制」に関する14世紀~17世紀の公文書・文物を調査・読解し、近世中国王朝の官僚制度とその運用実態を逆照射的に解明する。その上で、これらが17~19世紀の日本の支配階層・文人に与えた影響を考察する。 これらを土台に、中国の「科挙」「官僚制」が世界史上に与えた影響及び一次史料(文物・公文書等)が果たした役割を考察する。
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研究実績の概要 |
本年度も、海外調査を予定していた時期にコロナが再燃するなどの理由によって、ローマ・ラ・サピエンツァ大学、ベネチア・カフォスカリ大学、ハイデルベルグ大学、ライデン大学等に所蔵される中国近世の公文書・文物等について、現地に赴いての調査を実施することができなかった。また、国内においても、同様であった。一方で、9月~10月の比較的状況が安定していた時期に、本務校の業務も兼ねてスペイン、イタリア、オランダ、ドイツ、カナダなどの多くの国々の研究者を招聘することが出来、その際に、本科研に関わる史料の情報やまた今後の調査に関わる助力をお願いすることができたのは細やかな進展であった。これによって、2023年度はローマ大学、更に2024年度はブリティッシュコロンビア大学に赴き、研究発表と史料調査を行う計画を立てることができた。また昨年に引き続き、海外各機関の所蔵情報を収集すると同時に、また公開・販売されている目録類を閲覧することにつとめた。また、Isaac Titsinghの日記の翻訳と注釈についても作業を進め、西洋人から見た清朝の姿について研究を深めた。なお、これまでの実績を評価していただき、本研究の骨子である「世界史上に与えた影響及び一次史料(文物・公文書等)が果たした役割を考察」するというテーマと相乗効果があり、更に大きな規模の研究課題に発展できる基盤研究B「中世日本往復外交文書の古文書学的研究ー明清・朝鮮公文書研究の一環としてー」(代表荒木和憲/九州大学)の科研に加えていただき、3月には東京大学で「明代公文書に関する二つの報告」として報告を行うことができた。これに対して渡辺美季(東京大学)先生をはじめとする専門家から助言をいただくことができ、本研究課題に対する考察を深める上で非常に有意義であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナの影響によって、海外・国内の両方において、申請課題にとって基礎となる現物調査を行うことができなかったことが大きな理由である。上述したような形で、国内かつオンラインでできることに最大限つとめたが、十分ではない。
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今後の研究の推進方策 |
海外及び国内の所蔵機関での一次資料・文物の調査を行い、それらに基づいて近世中国官僚制のイメージがどのようにして各地に伝播したのかを分析する方針に変更はない。コロナによる海外調査の制限がよくやく解除されたので、精力的に研究を遂行したい。また科研費の期間を一年間延長するなどの方策を講じることも視野に入れたい。またこれまでに収集してきた一部の文物の整理と分析と同時に、国内での調査を積極的に行い、実績を公にできるように進める。なお、オランダ使節の日記翻訳は、松方先生の指導の下、継続して行う。
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