研究課題/領域番号 |
20K01023
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
三品 英憲 和歌山大学, 教育学部, 教授 (60511300)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 国共内戦 / 毛沢東 / 土地改革 / 劉少奇 / 華北 / 晋察冀辺区 / 農村革命 / 左傾 / 中国共産党 / 晋察冀 / 中国土地法大綱 / 中国人民政治協商会議 / 共同綱領 / 人民代表大会 / 中国社会 / 中国農村 / 階級区分 / 中国近現代史 / 戦後国共内戦 / 華北農村社会 |
研究開始時の研究の概要 |
戦後国共内戦期に華北地域を主要な対象として土地改革政策を推進した毛沢東の頭の中にあったのは、1930年代初めに自身が「調査」した江西の農村像(地主がきわめて多くの土地を所有している)であり、土地改革政策は、自作農が中心だった華北農村の客観的現実と大きく乖離していた。では、中国社会はなぜこのように客観的現実と大きく乖離した認識に基づく政策の実施を許したのだろうか。また、このように現実と大きく齟齬のある政策が強行されたことは、共産党の支配構造にどのような影響を与えたのだろうか。本研究は、特に国共内戦期後半の土地改革急進化時期に焦点を絞り、こうした諸問題を考えようとするものである。
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研究成果の概要 |
戦後国共内戦期の後半(1947年5月以降)に華北地域で実施された土地改革およびその急進化が、共産党の支配と社会の秩序にどのような影響を与えたのかを明らかにできた。そこでは、土地改革の急進化は支配地域の秩序を流動化させたが、それは共産党の支配体制を解体したのではなく、むしろ社会に対する共産党の支配力と動員力を強化することに結果したことを明らかにした。こうした研究の成果によって1945年から1949年までの共産党の支配確立過程の全容を理解することができ、単著にまとめることができる段階に到達した。この単著は2024年度中に刊行できる見込みである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戦後国共内戦期の後半(1947年5月以降)を対象とした本研究の成果によって、1945年から1949年までの共産党の支配確立過程の全容を描く単著を刊行できる見通しが立った。この単著が描く歴史像は、中国共産党自身が提示している「建国神話」の裏に隠された史実を明らかにするものであるとともに、戦後国共内戦における共産党の勝利と、中華人民共和国で強度の動員体制が実現した理由について、これまで日本・中国・台湾・アメリカで発表されてきた数々の研究の説明とはまったく異なる画期的なものとなる予定である。
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