研究課題/領域番号 |
20K01026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 宮城学院女子大学 |
研究代表者 |
李 敬淑 宮城学院女子大学, 学芸学部, 准教授 (80723048)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ビカミング・ジャパニーズ / 植民地映画 / 朝鮮映画 / 植民地朝鮮映画 / 帝国映画 / 許泳 / 日夏英太郎 / 李創用 / 金信哉 / ビカミングジャパニーズ / 植民地朝鮮 / 植民地映画人 |
研究開始時の研究の概要 |
戦時下の外地映画は、内地映画に影響されつつ、独自の映画文化を構築しながら、「帝国映画の一部」を成していた。植民地の映画人たちは、自分たちのつくった映画が「真なる帝国映画」として認められることを願望し、その達成のため「<日本人>になること=ビカミング・ジャパニーズ」への欲望を抱くことになる。そこで本研究では植民地朝鮮の映画人4人(許泳・徐光濟・李創用・李台雨)に注目し、その実態を解明したい。また、彼らはなぜ<日本人>にならなければならないと考えたのかを探るべく、「ビカミング・ジャパニーズ」の具体的な実現方法とその限界、そこに内在していた植民地と帝国の論理まで含めた体系的な分析を試みたい。
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研究実績の概要 |
植民地の映画人たちは帝国日本の忠実な臣民(真の映画人)として認められるため、いかなる欲望を抱き、その欲望を構築する内的論理をいかに形成していったか。 本研究は植民地朝鮮の映画たちが行った日本と朝鮮を跨る映画活動を軸に、こうした問に答えていくものである。2021年度も2020年度と同様、海外調査を通して資料を収集することはかなわなかったが、様々な国内外のデータベースを活用しながら、とりわけ韓国側の近年の研究成果を分析し、日本での研究との接点を探った。 その結果、映画監督であり、映画評論家としても活躍した徐光濟(ソグァンジェ)に関する多くの資料を入手し、分析することができた。徐光濟(ソグァンジェ)が日本内地への映画留学を終え、その留学経験について語った資料などから帝国映画と帝国映画人たちに対して彼が抱いた一見矛盾する、二重的な感情が読み取れる。なお、徐光濟(ソグァンジェ)本人が述べた日本内地映画留学の経験談とそこから派生した朝鮮映画界への提言、さらにはその提言に対する朝鮮映画人達の反応と感情が垣間見える資料なども入手できた。それらを交差させながら植民地朝鮮映画人達の「ビカミングジャパニーズ」の内的論理とそこに潜んでいる歪んだ欲望と挫折を考察することが可能となった。 今後これらの点について他の朝鮮映画人たちの日本経験との比較などの視点を用いながら掘り下げ、研究成果のアウトプット化を図っていく予定である。
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