研究課題/領域番号 |
20K01030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 大手前大学 |
研究代表者 |
山口 正晃 大手前大学, 国際日本学部, 教授 (60747947)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 仏名経 / 杏雨書屋 / 靜嘉堂文庫 / 仏教史 / 敦煌 / トルファン / 目録 / 十方千五百仏名経 / 目録情報 / 中国仏教 / 民間仏教 / 漢訳仏典 |
研究開始時の研究の概要 |
「仏名経」という仏名を羅列しただけの仏典は、インド発祥の仏教が中国に定着する上で極めて大きな役割を果たしたと考えられるにもかかわらず、その重要性はこれまで等閑視されてきた。本研究では仏名経の研究環境を整備する一環として、敦煌・トルファン出土の古写本に含まれる仏名経について従来の目録の誤りを訂正し、またあわせてそれ以外の場所からも「新発見」された仏名経を調査し、精確かつ総合的な仏名経目録を作成する。
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研究実績の概要 |
昨年度は、日本所在の敦煌・トルファン文献の調査を中心に実施した。具体的には、武田科学振興財団・杏雨書屋が所蔵する「敦煌秘笈」および、靜嘉堂文庫所蔵の西域文献について調査した。 前者については杏雨書屋による既刊の目録・図版を中心に調査を進め、29点の仏名経を確認し、その中18点の仏名経について既刊目録の擬題の誤りもしくは不十分な情報を修正した。 後者については中国から刊行された目録(陳国燦,劉安志主編『吐魯番文書総目;日本収藏卷』武漢大学出版社, 2005年)があるものの、写真は未公刊であるため、東京の靜嘉堂文庫に出張して実地調査を行った。その結果、既刊目録から確認される11点の仏名経の中、8点について擬題の誤りもしくは不十分な情報を修正した。さらに、既刊目録で単に「仏典残片」と擬題され、仏名経とは認識されていない断片1点(既刊目録のNo.322)について、仏名経の可能性が極めて高いことを実地調査により確認できた。厳密にどの仏名経に該当するかは現在なお調査中である。さらにまた、既刊目録のNos.098-116.は「暫缺」とのみ記され、一切の情報が欠けているが、これについても実地調査の結果、これらの中の1点については仏名経であることを確認した。これも具体的にどの仏名経に該当するかは現在なお調査中である。 以上の成果についてはなお調査継続中の内容を含んでいるため、現時点では未公刊であるが、今年度中の公刊を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度と同様、家族の病気に伴う日常生活のあり方の激変により、コロナ以来の研究の遅れを取り戻すことがいまだ出来ていない。またロシアのウクライナ侵攻もいまだ継続中であり、ロシア所蔵の敦煌・トルファン文献の調査もまた、未だ実施できる見通しが立っていない。ただし、こうした状況の中でも身近で出来ることから研究活動を再開しており、昨年度は日本国内での実地調査を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していた研究計画の中、特に重要なものとしては次の2点がある。一つ目は、中国の浙江博物館が所蔵する、1955年に発見された従来未知の仏名経写本の実地調査。これは、仏名経の内容自体が従来未知のものである可能性が極めて高く、最優先の課題である。そして2つ目が、イギリスの大英図書館が所蔵する敦煌文献の仏名経のうち1点が、既刊の図版(敦煌寶藏)で不自然な箇所があるため実地調査する必要があること。イギリス所蔵の敦煌文献の中、仏典の類は『敦煌寶藏』でしか確認できず、現時点ではIDPのホームページ上でも公開されていないことから、現地調査をする極めて強い必要性がある。ただし、現在の身辺の状況ではこれら2つの現地調査を同年度中に実施することが困難であるため、2024年度が本研究課題の最終年度となるが、これを一年延長し、2024年度は中国浙江博物館に、2025年度はイギリス大英図書館での現地調査を実施する予定である。
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