研究課題/領域番号 |
20K01045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
踊 共二 武蔵大学, リベラルアーツアンドサイエンス教育センター, 教授 (20201999)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 宗教改革 / 再洗礼派 / メノナイト / アーミッシュ / ジェンダー史 / スイス / ドイツ / アメリカ / プロテスタント / 女性 / ジェンダー / スイス兄弟団 / フッター派 / 殉教 |
研究開始時の研究の概要 |
一般にヨーロッパの宗教改革は「近代的」なるものの出発点の一つとされるが、ジェンダー史の面でどうであったかを問う実証的な研究は少ない。本研究は宗教改革の最左派である再洗礼派(とりわけスイス兄弟、南ドイツ再洗礼派、メノナイト、アーミッシュ、フッター派等)に注目し、その発生地・移民先としてのスイス・ドイツ・オランダ・北米(とくにアメリカ東部、中西部、カナダ南部)を調査対象として宗教生活と共同体運営における男女の役割分担等を明らかにし、他のプロテスタント諸派にはない男女同権の思想と実践例が早くからみられたことを明らかにするものである。
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研究成果の概要 |
16世紀前半に欧州で生まれ、18世紀後半から北米に渡った再洗礼派(メノナイトとアーミッシュ)の女性の役割に関する調査を行った。再洗礼派においては16世紀の段階では女性による宣教活動、預言、説教、執事としての共同金庫管理、救貧活動が広範囲に行われ、殉教者として名を残した女性も多いこと、17~18世紀に教会制度が整備される過程で男性中心の体制が築かれたことは各種の史料から明らかだが、メノナイトにおいては女性執事の伝統が残り、遠隔地への伝道に女性が活躍していた事例も見つかった。アーミッシュの場合場合は牧師(監督)の候補者指名における女性の提案権が注目される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は欧米世界におけるジェンダーイクオリティの実現の「前史」に関係しており、宗教集団とりわけプロテスタントの一派である再洗礼派が果たした役割を検証するものである。その研究成果は近代的な自由・平等の確立史の一断面(促進要因と阻害要因)を実証的に明らかにしている点で学術的・社会的意義がある。それはとりわけキリスト教の勢力が強いアメリカ合衆国の現状を考察する一助にもなる。
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