研究課題/領域番号 |
20K01046
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
轟木 敦子 (中村敦子) 愛知学院大学, 文学部, 教授 (00413782)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 西洋中世史 / イングランド / ノルマンディ / ウェールズ / 貴族 / 証書史料 / アングロ・ノルマン / 中世イングランド / 中世ウェールズ / 中世ノルマンディ / 中世ヨーロッパ / 証書 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、11・12世紀のイングランドとノルマンディにまたがる中世国家であるアングロ・ノルマン王国貴族層を対象に、とくに王国の境界地域における彼らの政治活動を人的ネットワークという視角から検討する。中心はウェールズ境界地域である。この地域は、イングランド史研究とウェールズ史研究のはざまにおかれるか、ウェールズ辺境と呼ばれ13世紀以降独自の貴族権力を発展させた地域としての特性に注目されるかどちらかが中心だった。だが本研究では人的ネットワークに着目し、この地の貴族たちがウェールズ辺境内外を問わずどのようなネットワークを築いていたか、そしてその変化を明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
本研究ではチェスター伯ヒューの家臣ロバート・オヴ・リズランの研究、レナルフ2世のウェールズ境界とブルターニュ境界をつなぐネットワークに着目した研究をまとめた。ロバートは征服前からイングランド宮廷に関わり、征服後はウェールズ境界地域で活動する一方ノルマンディとも関係を維持した。また、レナルフ2世はウェールズ内の政治活動に介入するだけでなく姻戚関係や修道院への寄進関係などで長期的な関わりを構築していた。さらに、レナルフ2世の宮廷に集った人々の中には、ブルターニュ境界を拠点とするウィリアム・フィッツアランがおり、ウェールズの境界地域とブルターニュの境界地域の人的ネットワークの存在を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、アングロ・ノルマン期社会における境界地域相互のネットワークの実態を明らかにした点である。ウェールズとイングランド間の「ウェールズ辺境」がチェスター伯家を中心としたネットワークにより、イングランド側とウェールズ側とつなぐ役割を果たし、ブルターニュ境界地域とも関係を維持していたことを明らかにし、境界地域のネットワークの拠点としての役割とその具体的内容を指摘できた。社会的意義として、現代社会における境界地域を考察する際の比較材料の一例を提供できた。国家間、地域間における文化的社会的相違に基づく対立をどのように理解することができるかについて比較材料となりえる成果といえよう。
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