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古代ギリシアにおける「民主政の技法」とその伝播に関する政治文化史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01054
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
研究機関東京大学

研究代表者

橋場 弦  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (10212135)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード民主政 / 民主主義 / ギリシア / 古代 / 抽選 / 技術 / アテナイ / デモクラシー / 民会 / 文字 / リテラシー / 公文書 / 記録 / 記憶 / 技法 / 政治
研究開始時の研究の概要

本研究では、一度に大勢の市民に情報を提供し、かつ彼らを効率的に組織し政治参加させるこのような政治技術全般を、「民主政の技法(Ars Democratica)」と定義する。この「民主政の技法」が、具体的にどこから発生・発展し、それがどのようにギリシア世界に拡散していったのか、またそれがギリシア民主政自体の拡大発展とどのような関連にあるのか。これを明らかにするのが本研究の核心である。

研究成果の概要

本研究では、古代ギリシアにおいて、多数の市民の政治参加を可能にしたさまざまな政治文化、すなわち抽選システム、政治参加への日当制度、碑文による情報公開、公文書管理などを、総じて「民主政の技法(Ars Democratica)」と定義し、その成立とギリシア世界への伝播の過程を解明しようと試みた。結論としては、(1)民主政の技法は、他国に先駆けて民主政を達成したアテナイでまず確立した。(2)その背景には、他国に比べて飛び抜けて多い人口をアテナイが抱えていたことがあった。(3)その技法は、アテナイがペロポネソス戦争に敗北した後、前4世紀になってギリシア世界に広がった、ということが明らかとなった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

代議制民主主義が機能不全に陥り、国民投票など直接民主主義的手法がポピュリズムの危険性をはらむ一方で、世界のあちこちで強権主義・権威主義が急速に台頭しつつある現代において、暴力やテロといった破壊的手段によらずに民主主義を持続可能なものとするにはどうしたらよいか、という現代的な問題に対する手がかりを、民主政の生命である市民参加のメカニズムを歴史的に解きあかすことによって、与えることができる。これが本研究の今日的な意義である。

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 追悼文 伊藤貞夫先生を偲ぶ2022

    • 著者名/発表者名
      橋場弦
    • 雑誌名

      史学雑誌

      巻: 131-6 ページ: 95-97

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [雑誌論文] 賄賂研究の射程2022

    • 著者名/発表者名
      橋場弦
    • 雑誌名

      歴史評論

      巻: 861 ページ: 6-19

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] シンポジウム:オリンピア 古典古代のからだとこころ 趣旨説明2022

    • 著者名/発表者名
      橋場弦
    • 雑誌名

      西洋古典学研究

      巻: 69 ページ: 81-84

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 伊藤貞夫先生のご逝去を悼む2022

    • 著者名/発表者名
      橋場弦
    • 雑誌名

      西洋古典学研究

      巻: 69 ページ: 221-224

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 書評:栗原麻子『互酬性と古代民主制 アテナイ民衆法廷における「友愛」と「敵意」』2021

    • 著者名/発表者名
      橋場弦
    • 雑誌名

      史林

      巻: 104-2 ページ: 57-63

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「おはなし」と歴史学2021

    • 著者名/発表者名
      橋場弦
    • 雑誌名

      公研

      巻: 697 ページ: 14-15

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 『直接民主政=衆愚政』は方便 古代ギリシアが射抜く本質2021

    • 著者名/発表者名
      橋場弦
    • 雑誌名

      月刊ジャーナリズム

      巻: 368 ページ: 22-27

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 疫病ふたたび2020

    • 著者名/発表者名
      橋場弦
    • 雑誌名

      公研

      巻: 687 ページ: 14-15

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 伝アリストテレス『アテナイ人の国制』の伝承と受容:レンボスのヘラクレイデスの場合2023

    • 著者名/発表者名
      橋場弦
    • 学会等名
      ギリシャ哲学セミナー第25回共同研究セミナー
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] オリンピア・古典古代のからだとこころ(趣旨説明)2021

    • 著者名/発表者名
      橋場弦
    • 学会等名
      日本西洋古典学会大会第71回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 古代ギリシアの民主政2022

    • 著者名/発表者名
      橋場 弦
    • 総ページ数
      268
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      9784004319436
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [図書] オリンピア2020

    • 著者名/発表者名
      村川堅太郎 (解説 橋場弦)
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      筑摩書房
    • ISBN
      9784480099884
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-01-30  

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