研究課題/領域番号 |
20K01062
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
鈴木 道也 東洋大学, 文学部, 教授 (50292636)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 百科全書 / ヴァンサン=ド=ボーヴェ / アレクサンドロス大王 / ユーラシア認識 / ヴァンサン・ド・ボーヴェ / フランス王国 / 東西交渉 / 旅行記 / ウィリアム・ルブルック / 中世ヨーロッパ / ユーラシア / 世界図 / 歴史叙述 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、13世紀から14世紀にかけてのフランス王国で編集、制作された百科全書的作品群、とくにヴァンサン=ド=ボーヴェの作品『大いなる鑑』とその俗語翻訳版を対象に、そこに記された異文化圏に関する記述の成立過程と内容、さらにその政策・意思決定への影響を探ることで、中世ヨーロッパの人びとが異文化圏、とくに東方ユーラシア世界をどのように認識し、そしていかなる「外交」政策を展開していたのか、中世における学知と政治との関係を明らかにしようとするものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、13世紀から14世紀にかけてのフランス王国で編集、制作された百科全書的作品群、とくにヴァンサン=ド=ボーヴェの作品『大いなる鑑』とその俗語翻訳版を対象に、そこに記された異文化圏に関する記述の成立過程と内容、さらにその政策・意思決定への影響を探ることで、中世ヨーロッパの人びとが異文化圏、とくに東方ユーラシア世界をどのように認識し、そしていかなる「外交」政策を展開していたのか、中世における学知と政治との関係を明らかにしようとするものである。論文「ヴァンサン=ド=ボーヴェ編『歴史の鑑』にみる13世紀フランス王国のイスラーム認識について」においては、ムハンマドの生涯とイスラームの教義が中世のフランス王国においてどのようなものとして認識されているかを確認した。論文「『歴史の鑑』のなかのアレクサンドロス大王」は、異世界の統治者であるアレクサンドロス大王が、キリスト教の発展とその教義の拡大に貢献する理想的な君主像として位置づけ直されていく過程を確認した。論文<L'Historia Tartarorum de Simon de Saint-Quentin et le Speculum Historiale>は、中世ヨーロッパのキリスト教聖職者がモンゴル帝国の政治と文化をどのように認識していたのか、その再構成を目指したものである。学会発表「シンポジウム 一三世紀ユーラシアにおけるキリスト教世界とモンゴル帝国 趣旨説明」は、本研究課題に関連して、複数の研究者(モンゴル帝国史、教皇庁史、中世ロシア史、ビザンツ帝国史、北欧史、中世シリア史)の参加を得て主催したシンポジウムの全体構想を提示するものとなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年ぶりに海外出張を行い資料調査および現地研究者との意見交換を実施することができたこと、当該研究課題と関連するテーマを研究している国内の研究者数名にご登壇をお願いし、学会シンポジウムを開催したこと、研究ノート的な内容ではあるが、二本の研究論文を作成・刊行することができたこと、これらのことから今年度の研究活動は「おおむね順調に進展した」と判断される。
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今後の研究の推進方策 |
<百科全書のなかのモンゴル帝国>をテーマに研究活動を進めたい。ローマ教皇によってモンゴル帝国に派遣されたフランシスコ会士プラノ・カルピニやドミニコ会士サン・カンタンのシモンが13世紀半ばに記したモンゴル帝国に関する報告書の内容は、いち早く『大いなる鑑』などの百科全書に取り込まれている。シモンの報告書は原文が失われており、百科全書の記述は貴重である。百科全書写本のなかには報告書の記述をもとに描かれた挿絵が添えられたものもある。テキストとともにこうした挿絵、とくに地図に関して、そこに含まれるきわめて豊富な情報を整理し、その根拠がどこにあり、それがどのように伝わり、地図に記載されるにあたってどう変化したのか、その伝播過程について考えてみたい。 2022年度に、当該テーマに関わるシンポジウム「13世紀のヨーロッパ・キリスト教世界とモンゴル帝国」を開催した(2022年11月)。2023年度は、ここで得られた多様な知見をひとつの重要な手がかりとし、可能であれば新たな視点を設定して研究活動を継続していきたい。とくにイル=ハン国などモンゴル帝国側からヨーロッパに派遣された諸外交使節が制作・提出した報告書については、写本の残存状況を含め、より丁寧な分析を行いたいと考えている。
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