研究課題/領域番号 |
20K01073
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
村野 正景 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 客員准教授 (50566205)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 学校博物館 / 学校資料 / パブリック考古学 / 文化資源学 / 博物館学 / 文化遺産研究 / 学校所在資料 / 博物館 |
研究開始時の研究の概要 |
現代社会では一人の人間が生きていく中での学校の影響が大きい。その学校が抱える課題として近年盛んに指摘されているのが、学校教育や地域理解等へ力を持つはずの資料が散逸・消失の危機にあることだ。そこで本研究では、学校所在資料の保護・活用にかかる新たな一手として「学校博物館」に注目し、京都府を題材とした学校博物館の全体像を把握する調査を行う。その成果を基に「学校博物館はいかにすれば成長できるか?」を検討する。これによって学校所在資料の保護・活用モデルの提供や「学校博物館論」構築につなげる。この研究はパブリック考古学の新たな領域を開拓し、海外でも新たな考古学・博物館活動を生み出すことが期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究は、いまや消失の危機にすらある学校所在考古歴史資料について、その保護・活用のために、これまで考古学者の関与が十分でなかった「学校博物館」を対象として、その歴史や現状、活動内容、課題、成長可能性に関する研究をおこなった。コロナ禍の影響があったものの、京都府内30校以上で現地調査が実施でき、学校博物館が学校独自型、地域組織連携型、博物館連携型の3タイプで運営され、それぞれ成長モデルとなりうることを見出せた。成果は展覧会、報告書・論文で公開し、また外部が学校に関わる際の行動指針やそのガイダンスを作成した。海外でも学校博物館を確認でき、とくにラテンアメリカ諸国で比較可能事例を多数見出せた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学校博物館は、通常外部者が立ち入ることができない学校の敷地内にあるため、考古学者らが研究対象としにくい。そのため例えば刊行物により戦前の学校博物館の内容を明らかにするといった過去の歴史研究が多かった。それに対し本研究は現役の学校博物館を対象とし、教育委員会や学校と連携を深めて、現場で調査し、現状や課題を明らかにした点で学術的意義をもつ。また本研究は、私たちの教育基盤たる学校の機能に関する研究、あるいはその向上を目指す実践でもある点で社会的意義をもつ。学校図書館と異なり、法的裏付けをもたない学校博物館はまず存在への気づきが重要で、本研究活動がその役割の一端をになった。
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