研究課題/領域番号 |
20K01080
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
川添 和暁 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (40869202)
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研究分担者 |
阿部 芳郎 明治大学, 文学部, 専任教授 (10221730)
樋泉 岳二 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (20237035)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 縄文時代から弥生時代への変遷 / 骨角製装身具類 / 社会複雑化・階層化などへの社会変遷 / 縄文時代から弥生時代 / 素材利用の選択 / 人骨着装と非着装 / 縄文時代早・前・後・晩期 / 弥生前・中期 / 鹿角製装身具類(腰飾りなど) / 貝輪 / 牙製垂飾 / シカ・イノシシ / オオカミ・クマ / 弥生時代前期・中期 / 縄文時代晩期 / 縄文時代早期 / 弥生時代中期 / 縄文時代・弥生時代 / 社会階層化・集団関係 / 骨角器 / 先史考古学 |
研究開始時の研究の概要 |
一般的に狩猟採集社会の縄文時代から水田農耕社会の弥生時代への変遷というイメージが語られているが、動物資源利用体系は弥生時代にも続いている。一方、装身具や儀器といった装身具類は当時の社会性・精神性がよく表れていると言われるものの、動物性素材の資料もとにした縄文/弥生研究はこれまでごく限られていた。 本研究では、縄文時代・弥生時代を通じての社会階層化の様相および集団関係の分析の新たな視点として、骨角製装身具類に注目する。分析は、個別資料の型式学的検討、出土状況の精査、さらには器種の組み合わせと、包括的に実施する。本研究の基礎資料とするために、縄文時代および弥生時代資料の集成を行なう。
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研究成果の概要 |
狩猟採集社会の縄文時代と水田稲作農耕の弥生時代とは、これまで対照的に扱われることが一般的であった。今回の研究課題では、狩猟・漁撈などの生業と有機的関連性のある骨角製装身具類を、両時代同等に取り上げることにより、縄文時代から弥生時代への時代変遷を改めて検討した。骨角器といえば漁具を対象とした研究が圧倒的に多く、装身具類を主体とした包括的研究自体、そもそも稀少である。分析の結果、縄文から弥生への変遷は決して断絶ではなく、縄文時代以来の伝統を引き継ぎつつ、新しい社会的枠組みを示す新たな器種の登場など、弥生時代でも狩猟・漁撈などに基づく価値観が、継続して機能している様相を確認することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の課題では、考古資料としても包括的に取り上げられる機会が稀な資料群について取り上げたという基本的な点において、型式学などを基にした従来の考古学研究にはまだ進めなくてはならない分野が多くあることを示すことができた。 また、今回の分析結果を見ると、先史時代の様相を、均一化・単純化してまとめることは難しいことが分かる。「歴史は時代を見る鏡」と言われるように、社会の多様化が尊重される現代である。人間社会の理解において、一般概念を広く適用するのではなく、地域・時期に即した理解が特に必要であることを、本課題では示すことができたもの考えている。
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