研究課題/領域番号 |
20K01086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 奈良県立橿原考古学研究所 |
研究代表者 |
小池 香津江 奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 特別研究員 (00250390)
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研究分担者 |
水野 敏典 奈良県立橿原考古学研究所, 企画学芸部企画課, 副主幹 (20301004)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 鉄器生産技術 / 古式土師器 / 地域間古流 / 手工業生産 / 古墳出現期 / 地域間交流 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、古墳出現前後の手工業製品の代表として鉄器と土器を取りあげ、列島各地の鉄器生産技術の系譜と地域間交流の関係を明らかにする。 北部九州博多湾沿岸と、古墳時代前期大型前方後円墳が集中する近畿中央部奈良盆地で共通した鉄器生産技術が存在することに着目し、遠隔地型の地域間交流と鉄器生産の技術革新の関係を明らかにする。特に、大型砥石と鏨等の工具類に注目し、各地の鍛冶遺跡の大型利器製作の可能性を検討するとともに、出土土器の分析により各地の鍛冶関連遺跡間の連携の有無を検討することで、大局的な地域交流の視点から鉄器・土器研究を統合し、古墳出現期における手工業生産技術の発展過程を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では、古墳出現前後の手工業製品の代表として鉄器と土器を取り上げ、列島各地の鉄器生産技術系譜と地域間交流の関係を明らかにすることを目的とする。北部九州博多湾沿岸と、古墳時代前期大型前方後円墳が集中する近畿地方中央部奈良盆地で共通した鉄器生産技術が存在することに注目し、遠隔地型の地域間交流と鉄器生産の技術革新の関係を明らかにしようとする。大型砥石と鑿等の工具類に注目し、各地の鍛冶遺跡の大型利器制作の可能性を検討するとともに、出土土器の分析による地域間交流の検討を行うことで、多くの技術革新があったと考えられる古墳種具元気における手工業生産技術の発展過程を解明するものである。
2023年度は、鉄器生産関係資料の修正を継続し、全国的な鉄器生産関連資料の分布を把握するためのデータベース作成を行った。報告書等の文献から、弥生時代から古墳時代前期の鉄器生産遺跡や鍛冶関連遺物のキーワードから資料を抽出し、データベースを作成した。さらに、奈良県内資料を中心に基礎資料を収集し、詳細観察を行った。奈良盆地東南部の纒向遺跡では、鉄器・鍛冶関連遺物について詳細を分析し、考察した(水野敏典「纒向遺跡における鍛冶関連遺物の基礎的研究」『橿原考古学研究所論集』第18 奈良県立橿原考古学研究所 2023.9.13 89-98頁)。さらに、地域間交流の実態と鍛冶関連遺物との関係を解明するため、纒向遺跡を中心に奈良盆地周辺の外来系土器集成を継続中である。詳細観察については、関係機関との調整を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画当初において新型コロナウイルス拡大感染をうけ、外部機関への訪問を伴う資料の実見を見送ったため、全体研究スケジュールを変更し、データベース作成を優先したため、詳細観察や撮影、実測などのデータ作成と比較検討が十分にできなかった。現在影響は縮小したものの、研究スケジュールとその他業務との調整に困難を生じている。文献資料による資料集成については調査補助員を雇用して順調に作業が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
鍛冶関連資料及び土器による地域間交流を示す資料について、文献等による集成をとりまとめるととともに、詳細観察の対象を絞り込み、優先順位の高いものから実見し、詳細観察、撮影、実測等のデータ化を実施する。
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