研究課題/領域番号 |
20K01090
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
中原 計 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (20398027)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 山陰地方 / 木材利用 / 用材 / 年代測定 / 利用樹種 / 環境考古学 |
研究開始時の研究の概要 |
今日、人と自然環境とのかかわりの見直しがなされてきている。日本列島は、森林資源に恵まれ、原始古代から現代にいたるまで様々な用途に木材が利用されてきている。ただし、その利用のあり方は社会的、経済的、技術的な変化や自然環境の変化により、時代ごとに変化がある。 本研究では、山陰地方の遺跡から出土する木質遺物をてがかりに、当時の森林の様子と人が利用した木材とを比較することで、素材の獲得から加工、消費のあり方など、縄文時代から江戸時代までにおける木材利用の時代ごとの特徴をとらえ、その変遷要因を追究する。そこから、古来、人が森林とどのようにかかわってきたかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
鳥取県東部の遺跡から出土した木質遺物209点について、樹種分析を行い、それらの樹種と用材傾向を明らかにした。また、それらのうち12点について、AMSによる放射性炭素年代測定を行った。 出土木質遺物の器種は、容器類、建築部材、土木施設材である。容器類は、古代・中世の曲物で、これまで知られている用材の傾向と一致していた。建築部材は、高住宮ノ谷遺跡、常松菅田遺跡、下坂本清合遺跡、因幡国府跡から出土した古墳時代~中世の掘立柱建物の柱材であり、因幡国府跡の平安時代の資料を除いては、前年度までと同様にクリが最も多く利用されており、鳥取県東部における柱材の樹種選択であることが分かった。因幡国府跡の平安時代の資料は、この傾向とは異なり、ヒノキが主体を占めており、国府という遺跡の性格が反映していると考えられた。 土木施設材は、青谷横木遺跡出土の縄文時代晩期後葉~弥生時代前期の杭であり、これらについても、前年度までと同様にカヤを中心とした樹種選択であったことが明らかとなり、当該期の樹種選択のありかたがより明確に示された。 年代測定については、12点についてAMS法による放射性炭素年代測定を行い、絶対年代を明らかにした。一部辺材が失われている可能性を示す資料があったが、概ね想定していた年代に近い値であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分析点数は209点であり、これまでと変わらず200点前後の資料の分析ができている。また、時期も縄文時代から中世までのものを扱えており、山陰地方における木材利用の変遷についての情報を得るのに必要な分析を行うことができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、最終年度であることから、これまでの成果をまとめて報告書を作成することに重点おきつつ、足りない部分を補う資料については分析を行っていく予定である。
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