研究課題/領域番号 |
20K01095
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
丸山 真史 東海大学, 海洋学部, 准教授 (00566961)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 動物考古学 / 古墳時代 / 家畜化 / 家畜 / 王権 / 家畜利用 |
研究開始時の研究の概要 |
古墳時代は王権が関与する手工業生産の一つとしてウマやウシに注目が集中しており、食用家畜の検討が不十分である。中・近世の遺跡で出土した動物遺存体のなかに、形態および理化学分析によって家畜のブタやニワトリの同定が可能になりつつある。このことから、食用家畜のブタやニワトリの研究が進展すれば、古墳時代の家畜と王権の関係が明らかにできる。本研究では、古墳時代の集落遺跡から出土した動物遺存体のなかに、食用家畜の候補となる種が含まれているか、含まれているとすれば、それは家畜化された個体であるのかを動物考古学的手法で確認し、王権と家畜生産との関連について検討する。
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研究成果の概要 |
本研究は日本列島で普及した家畜、とくに食用という側面について注目して、家畜生産とそれらの利用実態、および古墳時代の王権との関連について明らかにすることを目的とした。本研究において分析対象の中心となる西庄遺跡の動物遺存体のうちイノシシ、イヌ、ウシ、ウマ、キジ科の抽出作業を行い、形態学的観察などを行うとともに、安定同位体分析を実施した。形態学的にニワトリの可能性を示すものが含まれていることを確認した。一方、イノシシが家畜化されている明瞭な変化はみられず、安定同位体比でも人為的な給餌状態を示す個体は認められなかった。現状では、飼育個体と断定できるものはいないが、家畜の存在を否定することはできない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本における動物考古学的な家畜研究は、起源論や系統論が注目されるが、その根底にある野生種と家畜の識別法の開発が発展し、方法論が確立されつつある状況にある。そのようななかで、本研究は古墳時代の家畜と王権に関する議論の基盤を整備する基礎的研究として位置づけられる。また、現在の古墳時代研究では、人間が生きるための「食」研究への関心は低く、食料生産が国家形成の根幹を担う生業であり、その一端を明らかにする本研究は画期的なものである。さらに、考古学や文献史学だけでなく、日本における家畜利用を明らかにすることから、民俗学や畜産学などの幅広い分野に波及する。
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