• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

近世以前の「牧野」景観の定量的復元:指標植物と花粉飛散モデルに基づいて

研究課題

研究課題/領域番号 20K01106
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03060:文化財科学関連
研究機関京都府立大学

研究代表者

佐々木 尚子  京都府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (50425427)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード植生変化 / 植生史 / 半自然草原 / 二次林 / 火事史 / 花粉分析 / 植物珪酸体分析
研究開始時の研究の概要

古地図や絵図の研究によると、明治期には、日本列島各地に草原のような開けた景観が広がっていた。古来、日本では、少なからぬ数の牛馬が役畜として飼育されており、これらの飼料や草肥を得る場として「牧野」が維持されてきた。しかし、近世以前については「牧野」がどれだけあったのか、またどのような「牧野」があったのか、その実態は明らかでない。本研究では、現在も「牧野」が残る蒜山および阿蘇地域を対象に、A)堆積物の古生態学的分析を実施し、B)花粉飛散モデルに基づく景観復元法を適用して牧野の比率を定量的に復元し、C)指標植物の花粉・植物珪酸体により牧野のタイプを判別することで、近世以前の「牧野」景観を復元する。

研究実績の概要

古地図や絵図の研究によって、幕末から明治期には、日本列島の多くの場所で草原のような開けた景観が広がっていたことが明らかになっている。古来、日本で は、牧畜が主要な生業でなかったとはいえ、少なからぬ数の牛馬が役畜として飼育されており、これらの家畜の飼料や田畑に入れる草肥を得る場として「牧野」 が維持されてきた。しかし、近世以前について、これらの「牧野」がどれだけあったのか、またどのような「牧野」があったのか、その実態は明らかでない。そ こで本研究では、現在も「牧野」が残る蒜山地域および阿蘇地域を対象に、A)堆積物の古生態学的分析をおこない、その結果に B)花粉飛散モデルに基づく景観 復元法を適用して牧野の比率を定量的に復元し、また C)特徴的に出現する指標植物の花粉・植物珪酸体を用いて牧野のタイプを判別することで、近世以前の 「牧野」景観を定量的に復元する。令和5年度は、引き続き植物・花粉標本の整理およびこれまでに得られた花粉生産量データの取りまとめをおこなった。
1. 植物標本ならびに現生花粉標本の作成と整理:草本植物の標本整理ならびに現生花粉標本を作成・整理し、草原植生に特徴的な花粉の形態を観察して、顕微鏡写真を撮影した。
2. 植物珪酸体標本の整理:イネ科植物を中心に現生の植物珪酸体標本を収集・整理して、形態を観察し、特徴的なものについて顕微鏡写真を撮影した。
3. マツ属の花粉生産量計測:草原植生あるいは開けた疎林に生育することの多いマツ属植物について、定量的な植生復元に向けた花粉生産量調査を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和5年度は、研究協力者を雇用して、資料整理や分析・データの取りまとめ等の作業を進めることができた。一方で、草本植物の花粉生産量計測等、現地での野外調査が十分に実施できていない状況である。また参加予定だった国際会議が延期されており、成果発表の機会が次年度以降になる見込みである。以上のような進捗状況から、やや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

令和6年度については、採取済みの標本や堆積物の整理・分析、および補完の現地調査を実施しつつ、国際会議等における研究発表をおこなう予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Estimation of absolute pollen productivity based on the flower counting approach: A review2022

    • 著者名/発表者名
      Hayashi Ryoma、Sasaki Naoko、Takahara Hikaru、Sugita Shinya、Saito Hideki
    • 雑誌名

      Quaternary International

      巻: 641 ページ: 122-137

    • DOI

      10.1016/j.quaint.2022.04.015

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 岡山県蒜山地域における過去3000年間の植生変遷と人間活動の影響2022

    • 著者名/発表者名
      四戸莞嗣・佐々木尚子・高原 光・西本 孝
    • 学会等名
      第37回日本植生史学会大会・日本花粉学会第63回大会 合同大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi