研究課題/領域番号 |
20K01110
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
橋本 英将 天理大学, 文学部, 教授 (80372168)
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研究分担者 |
長谷川 修一 立教大学, 文学部, 教授 (70624609)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 写真測量 / SfM/MVS / 考古学 / 3Dモデル / 発掘調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、国内外の様々な環境下の研究者が、必要十分な精度の3次元計測データを取得し、共有し相互に活用するための、調査マニュアルの策定を試みる。日本の前方後円墳、横穴式石室、イスラエルの都市遺跡での発掘調査を通じ、同一対象について、様々な条件での記録作成と結果の比較検討をおこなう。現実的な導入費用、必要十分な精度、効果的かつ高効率なデータ取得法を備えた、国内外で実効性のある調査法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、発掘調査における写真測量による遺跡・遺構の3次元モデル取得と活用について、効率的かつ高精度な記録が実施されるための体制と条件を、実際の発掘調査における実践を通じて精査することである。継続的に日本、イスラエル両国でのフィールド調査で実施を予定していた。2023年度はCovid-19の状況が改善し、イスラエルでの発掘調査が可能となった。 2019年度に設定していた調査区の一部について発掘を継続し、青銅器時代から鉄器時代への移行期と推定される層に到達した。青銅器の鋳造に関連する遺物、ガラス小玉等、当該調査区の性格を考えるうえで重要な成果が得られた。遺構に関する情報は現地で写真測量による記録作業をおこなった。また、本研究課題の日本国内における主たる対象である、奈良県天理市、杣之内古墳群のうち、2023年度もこれまで継続的に発掘調査を積み重ねている東乗鞍古墳に焦点をあて、発掘調査結果の写真測量による記録について、ドローン、一眼レフデジタルカメラ、コンパクトデジタルカメラそれぞれにより記録を実施した。昨年度に引き続き、取得した記録から生成される3次元モデルを比較し、紙媒体の発掘調査報告書、web上で閲覧するPDF、ウェブサイト上での公開等、活用の場面ごとに、それぞれのモデルの優位性について検討を重ねた。 研究成果は、本研究実施前に取得したデータも含めつつ、研究代表者所属の大学紀要(『古事』天理大学考古学・民俗学研究室紀要)で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度になりイスラエル国テル・レヘシュでの発掘調査を再開することができたが、3年の間予定していた調査を実施できなかったため、当初想定していた量のデータ取得には至っていない。 日本国内における対象の一つである、奈良県天理市東乗鞍古墳については、例年通り2024年2月に発掘調査を実施でき、ほぼ想定していた発掘調査現場の記録を実施することができた。また、2023年2月の調査で偶然表採された家形石棺の破片についても写真測量を予定していたが、2023年度内での完了にいたらず、2024年度にあらためて実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度よりイスラエル国テル・レヘシュでの発掘調査は再開できたが、現地の情勢悪化により、2024年度の現地調査は困難である。これまでに集積した写真測量データの整理と考察を実施する。 日本国内においては、昨年度に引き続き東乗鞍古墳の発掘調査の進行にあわせたデータ取得・活用の実践を推進するとともに、前年度完了できなかった、杣之内古墳群の主要な横穴式石室である、塚穴山古墳・峯塚古墳の写真測量を継続する。これらの古墳は使用石材の大きさ、加工度が異なる事例であり、カメラ・撮影方法の条件設定など、最適な撮影条件の検討に適した事例である。
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