研究課題/領域番号 |
20K01115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
杉岡 奈穂子 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 客員研究員 (00609167)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 絵画表現 / 微細構造観察 / 藍 / 裏彩色 / 絵画材料 / 多様性 / 彩色技法 / 微細構造解析 / 彩色材料 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、染色・絵画文化財を構成する彩色材料が、表現技法においてどのような効果を生み出すのかを、材料科学的側面から明らかにするものである。用いられている材料は、染料、顔料などの絵画材料のほかに、金属、木材、繊維、漆・膠などの固着剤を含む複合材料であり、様々な特性をもつ。媒体中での元素の拡散、化学反応、析出、偏析などとともに、光学的性質、支持体の構造などを中心に材料物性と美的評価を進めている。
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研究実績の概要 |
本研究は、染色・絵画文化財で用いられている彩色材料がもつ特徴の違いが、絵画表現あるいは彩色技法にどのような効果をもたらすのか、材料科学的側面から明らかにするものである。染料と顔料は、組み合わせて用いることにより表現の幅が大きく広がるため、さまざまな場面で多用されていると考えられる。 たとえば、本紙表面の紫外可視分光反射スペクトル分析から、藍の分光スペクトルは検出されない場合でも、裏彩色の手法のひとつとして染料である藍を用いた裏塗りの痕跡が、下地層から確認されるときがある。この場合、下塗りとしての彩色あるいは裏彩色の目的としての藍の使用などが考えられるが、絵師の表現手法としての工夫のほか絵巻物等にみられる伝統的彩色手法を継承している可能性もあり、資料のもつ格式や歴史的経緯を含めた複合的な検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ肺炎による制限のため、実験装置を用いた研究が困難であったため、研究計画に変更が生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、染色・絵画技法の表現効果を生み出す彩色材料のナノ特性について明らかにし、新たな課題に取り組む。特に、顔料と染料を組合わせる彩色表現について、微細構造観察により絵画の製作工程を通して発色のメカニズムを明らかにし、彩色材料の特性を得るほか、表現手法および伝統的彩色技法についての知見を得る。
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