研究課題/領域番号 |
20K01118
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山下 俊介 北海道大学, 水産科学研究院, 特任准教授 (50444451)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 資料コンテクスト / デジタルアーカイブ / 持続性モデル / 仮群把握 / 統計的処理 / 回避プログラム / アーカイブズ / アーカイブ |
研究開始時の研究の概要 |
資料のもつコンテクスト情報は、資料の真正性や信頼性に関わる核心的性質である一方、情報構築のために多大な作業コストが必要であり、また既存コンテクストに資料利用が縛られるという性質も併せ持つ。本研究は、アーカイブ事業の持続性阻害要因でもある資料コンテクストを回避して資料活用を活発化させるプログラムを、資料を活用する多様なユーザーの協力のもとに実践的に開発する。先行事業に対してコンテクスト構築の観点から分析を行った上で、コンテクスト回避プログラムが事業持続性に貢献するための作業概念モデルの構築を行い、資料コンテクスト回避プログラムの実践と効果検証を行う。
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研究実績の概要 |
【要素研究1.先行アーカイブ事業の調査】資料コンテクスト情報の質と量、構築作業コストの見込みについて、既存デジタルアーカイブを中心に閲覧分析を継続した。また資料保存整理作業のうち、資料コンテクスト構築作業に関係する課題について複数の現場担当者に聞き取りを行った。資料コンテクスト情報の保存は、物体的保存に比べて優先度が下げられたり、受入準備時の未確定の調査情報や寄贈受入の手続き書類と分断されたりして、情報保存に特定の課題があることが確認された。
【要素研究2.コンテクスト回避プログラムが事業持続性に貢献するための作業概念モデルの構築】資料の探索および資料利用時において、コンテクスト情報として優先的に採取することが有用であるミニマムコンテクスト情報とアーカイブ理論との整合性を継続して検討した。また外形的情報を統計的に処理して得られる仮群構造化が、従来から行われてきた資料組織化プロセスのうち作業コスト省力化に貢献する部分の検討を行った。
【要素研究3.資料コンテクスト回避プログラムの実践と効果検証】水産学教授用掛図のコンテクスト復元のための文献調査、および同時期に生成使用された関連資料の調査を継続した。通常、出所時の明示的群構造が示されていない/破壊されている資料群の場合、資料1点ごとの意味的把握を多大な時間をかけて実施し、総合的に資料群構造が把握される。今回、統計的処理による仮群把握によりこの作業を回避する方法を開発した。またミニマムコンテクスト情報の選定と統計的仮群把握について、複数の資料群を対象として試行実践を行い、適用可能な資料群の条件を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
想定していた資料群の中にアクセスが困難なものが生じたため計画を変更した。
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今後の研究の推進方策 |
複数資料群の比較作業計画を変更し、対象資料群を絞り込んで作業と分析を集中させる。要素研究2において、資料形態等の情報に基づく脱コンテクスト的資料展示により、資料活用の可能性を試行する。その際、生成される新視点・構成をタグ要素として資料メタデータに還元記述し、資料へのアクセス性を高める新しいアーカイブ作業の概念モデルを構築する。要素研究3として、各資料項目の相互関連性に着目し仮群構造把握の精度と効率性を高める。属性の異なる複数ユーザーを対象に、回避プログラムを適用した資料の利用に関するインタビュー等によるフィードバックを試行する。
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