研究課題/領域番号 |
20K01122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
佐藤 崇範 琉球大学, 島嶼地域科学研究所, 客員研究員 (80826082)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 研究資料 / アーカイブズ / 自然史系博物館 / 学術資源化 / 資料整理手法 / 研究者資料 |
研究開始時の研究の概要 |
研究者が研究活動の過程で作成・収受した、研究ノート、フィールドノート、写真などの「研究資料」は、学術資源として高い潜在的価値をもつ。このような資料は、自然史系博物館にも自然史標本とともに寄贈されることが珍しくないが、多くは未整理の状態であることから利活用が進まず、その学術的な価値を十分に示すことができていない。 本研究では、国内の自然史系博物館が所蔵する「研究資料」の実態調査を行う。また、実際に複数の「研究資料」を対象として、アーカイブズ学に基づいた資料整理に取組みながら、最適な資料整理手法を開発する。これにより、「研究資料」の学術資源化を促進し、有効に利活用するための基盤構築を目指す。
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研究実績の概要 |
研究者等が学術研究の過程で作成・収集した一次資料が主体の「研究資料」は、学術資源として高い潜在的価値を有する。「研究資料」の活用を効果的に進めるためには、アーカイブズ学に基づいて整理・分析を行い、資料全体の構造を把握することが必須であるが、現在、研究機関や博物館等が所蔵している「研究資料」でさえ、多くは未整理の状態にあり、その学術的価値を十分に示すことができておらず、活用にも支障が生じている。本研究では、自然史系博物館に自然史標本とともに寄贈された「研究資料」に着目し、まずその現状把握を行った上で、アーカイブズ学的手法を用いて「研究資料」に最適な資料整理論を構築し、活用促進の基盤づくりを進めることを目的とする。 2023年度は、前年度に実施したアンケート調査の結果を取りまとめ、国内の自然史系博物館における「研究資料」の現状を分析した。その結果、今回対象とした「自然史標本を所蔵する博物館及び関連施設・機関」(以下、博物館等)204館中、回答があった112館のうち半数を超える63の博物館等が「研究資料」を所蔵していると回答した。また、展示・管理・研究などでの利活用事例も多く示された。しかし、閲覧可能な目録を提供しているのは14の博物館等にとどまった。 「研究資料」は自然史標本の情報を補完する貴重な情報源としてだけでなく、展示や研究利用など多様な利活用がみられるものの、目録作成や所蔵情報の公開は進んでいない。その理由として、人的・予算的な面だけでなく、「研究資料」が自然史標本の「付属資料」と位置づけられているため優先順位が低いこと、プライバシーやセンシティブ情報への配慮などが挙げられた。これらの結果は、速報的に全日本博物館学会第49回研究大会で発表するとともに、アンケートに協力していただいた博物館等にも希望に応じて共有した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19流行によって着手が遅れていた、自然史博物館等へのアンケート調査を実施し、その分析を進めるとともに、各地の自然史博物館を訪問して、担当学芸員へのインタビュー調査を継続している。それらの成果の一部は、学会大会や論文等で公開予定である。しかし、2023年度中に実施予定であった、資料整理実践の取りまとめ、これまでの調査結果を踏まえた自然史系博物館で導入し易い資料整理手法の検討が十分に行うことができず、補助事業期間を延長することとした。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画で最終年度に実施予定であった、研究資料の資料整理実践の取りまとめ、これまでの調査結果を踏まえた自然史系博物館で導入しやすい資料整理手法の検討及びその成果の発表は、期間延長した2024年度に実施する予定である。
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