研究課題/領域番号 |
20K01123
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
駒見 和夫 明治大学, 文学部, 専任教授 (20225577)
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研究分担者 |
井上 由佳 明治大学, 文学部, 専任准教授 (90469594)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | インクルーシブミュージアム / ユニバーサルサービス / 知的障害特別支援 / 博学連携 / 博物館出前講座プログラム / 博物館出前プログラム / 博物館出前講座 |
研究開始時の研究の概要 |
博物館と知的障害の人たちの結びつきは、相互の理解や認識の欠如から著しく希薄な状況にある。博学連携が博物館の主要な活動に定着している現在、博物館と知的特別支援学校との連携も進んでいない。解決のためには、相互の理解を深めて両者をアクセスコーディネートする仕組みが必要と考える。 本研究は、この両者を繋ぐシステムのモデルケースを、東京都23区を対象に構築することが目的である。方法は、知的特別支援学校への博物館出前講座の実践と情報発信等による博物館学習の方法と価値の提示、および知的障害に適った教材やプログラムの開発と博物館への提供・アドバイスが核となる。博物館における包摂と共生の実現を目指す。
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研究実績の概要 |
前年度に構築した知的障害特別支援学校やその子どもたちの家庭と博物館をつなぐウェブサイト「いんくるん」をもとに、知的障害の子どもたちの博物館利用促進を進めていった。当初のウェブサイトは、知的障害の子どもたちを支える教員や保護者を見据えたものとしていたが、利用評価のインタビュー調査などから、当該の子どもたちにうったえる内容のものがほしいとの意見が多くあった。 それを受けてウェブサイト内に新たなコンテンツ「はじめての博物館」を、知的特別支援に携わる教員の協力を得て制作した。これは知的障害の子どもたちにまず博物館の楽しさを伝えて利用意欲を引き出すことに重点を置き、そのうえで利用方法を具体的に伝えるものである。これによりウェブサイトが当該の子どもたちとそれを取り巻く人たちの両者もつなぐものとなり、博物館と知的障害の子どもたちのアクセスコーディネートの役割をより高めるものとなった。 本研究の全体を通して、知的特別支援学校と博物館の間に立ち、支援教育の場には博物館資料の学びを提供するとともに博物館利用学習の魅力と方法を伝え、博物館へは知的障害に適った学習プログラムを提案し、これらを基に両者をアクセスコーディネートする繋ぎのシステムを構築して実働させることに取り組んだ。 そのために、知的特別支援教育と連携した博物館出前講座(特別支援学校および放課後支援施設)を実践し、その検証から博物館学習教材と学習プログラムの作成をおこなった。この教材やプログラムは知的特別支援教育と博物館をつなぐ目的で構築したウェブサイトで公開し、利用の促進をはかるとともに利用評価の調査を実施して、内容の深化に努めた。その一環として博物館のインクルーシブなツールとして上記の「はじめての博物館」などのコンテンツを制作した。 これらにより、知的障害の子どもたちにも博物館をひらく本研究のねらいは概ね達成するに至った。
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