研究課題/領域番号 |
20K01125
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 金沢学院大学 |
研究代表者 |
加藤 謙一 金沢学院大学, 芸術学部, 准教授 (10435539)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 収蔵展示 / ヴィジブル・ストレージ / 文化財の活用 / コモンズ / ヴィジブルストレージ / 文化財の保存 / ミュージアム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は近年ミュージアムで導入が進む収蔵展示を対象とする。収蔵展示は、従来、ミュージアムにおいて厳格に管理者の領域にあったコレクション「保存」の現場を、展示を通じて「活用(公開)」へとひらく取り組みである。本研究ではこれを<「保存」と「活用」をめぐる越境的実践>と位置付ける。本研究の目的の一点目は日本国内の事例を中心に、研究の蓄積が少ない収蔵展示について、その総合的把握を行うことである。二点目は収蔵展示の導入が進むなかで<「保存」と「活用」をめぐる越境的実践>が、「文化財概念」にいかなる変化をもたらすのかを明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
これまで国内ではまとまった研究対象とされてこなかった収蔵展示について基礎的総合調査を実施した。その手法は文献調査、導入館への実地調査と学芸員へのヒアリング等を中心とした。おもな成果は、導入館に関する基礎データの公開、収蔵展示の類型化と概念規定の提示、さらに各類型の展示手法等に関する特色の抽出、そして近年のわが国における文化財に関わる施策との関係で収蔵展示の意義を明確化したことが挙げられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国内の主要な人文系ミュージアムを対象に実施した収蔵展示に関わる調査データを公開し、今後の研究における基礎資料の提供に寄与できた。また多様な様相を呈する収蔵庫公開事例について類型化と各特徴を整理したことで、今後の事例把握の基準を示すことが出来た。さらに文化財をめぐる国の施策を「保存と活用の好循環」の視点から捉えることで収蔵展示が有する「保存と活用の越境的実践」との共通性を指摘した。この点は、今後、国民的財産という理念的価値を有する文化財(ミュージアムコレクション)を、市民参画型の持続可能な保護体制のもとで未来に継承するための諸条件を明らかにするという次の研究課題を導き出すことにもつながった。
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