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科学館における会話から明らかにする科学的思考を誘発する展示の特徴

研究課題

研究課題/領域番号 20K01128
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03070:博物館学関連
研究機関富山国際大学 (2021-2023)
長崎総合科学大学 (2020)

研究代表者

繁宮 悠介  富山国際大学, 現代社会学部, 准教授 (00399213)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード会話分析 / 学習会話分類 / アフォーダンス / テキストマイニング / 共起ネットワーク
研究開始時の研究の概要

科学館の展示を前にして観覧者が行う会話をウェアラブルカメラで収録し、会話に現れる単語から学習内容を推定すると共に、単語のつながりや会話の流れを分析することで、展示がどのように科学的思考を誘発するかを明らかにする。学習内容の推定には「解説を読む」や「仮説を立てる」など16種類の学習会話分類にあてはめる。単語のつながりや会話の流れを分析するために統計処理(テキストマイニングによる共起ネットワークの生成)を行う。展示の持つ科学的思考の誘発過程が分かれば、より効果的な展示手法を考案につながると期待される。

研究実績の概要

2023年までに、長崎ペンギン水族館の来館者に対し研究趣旨を説明し、同意を得た約100組の親子の会話を録音した。魚類が多種混泳する大水槽前での会話を分析した結果、子供(小学生以下)の発話は、「尻尾が黄色い」「ああいう泳ぎ方をするんだ」という「気づき」が全体の75%を占めた。一方親の発言は、「この顔を見て」という「視点の提供」や、「ホントだね」という「強調」が、それぞれ約40%と約50%を占めた。 生命概念については、「どう移動するか」などの「構造と機能」への言及が約75%、「いつも端っこに居る」などの「環境との関わり」が約20%であった。会話の始まりは、種名を含む説明や質問であることが約60%と多かった。このことから、種を認識することは会話のきっかけとして重要であることが分かる。一方で、種名が判明することで会話が終了してしまうことも多く見られた。
頻出語、魚種名、魚種名以外のそれぞれに対して対応分析を行い、発話内容による家族のグループ分けを試みたが、明確にグループに分かれることは無く、また平均的な家族というのも居ないことが分かった。魚種名の出現頻度から家族をクラスターにまとめ、滞在時間との関係を調べた結果、ある魚種に言及したり、魚種の種類が増えたりすることが滞在時間に影響することは無かった。子どもの発話内容を対応分析すると、ウツボ、サメ、エイと言った人気種のみに言及する子どもと、それ以外の様々な種に言及する子どもに分けられるが、種名以外を含めるとタイプに分けることはできなかった。
会話内容を「魚の名前列挙」「観察・描写」「館外の話題・知識」「仮説・予想」に分類し、滞在時間の長さと関係するか調べた結果、滞在時間が長いからと言って、仮説や予想が増えるわけでも無かった。家族はそれぞれ固有の関心を持っているが、多様な関心に対応できるAI音声ガイドにより学びが深まると思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルス感染症の影響により、博物館来館者との接触が憚られる期間が長く、データ数の目標である100件を達成できたのは4年目の今年度であった。データ収集の遅れが原因となり、研究成果発表も学会発表のみで不十分である。研究期間をさらに1年延長し、研究成果発表(学会発表及び論文発表)を活発に行うこととする。

今後の研究の推進方策

会話データの分析および成果のとりまとめを進めることで、研究目的を達成することが可能である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 水族館での会話に見られる家族の「個性」2024

    • 著者名/発表者名
      繁宮悠介
    • 学会等名
      第71回日本生態学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 会話分析による水族館での学習内容の推定2023

    • 著者名/発表者名
      繁宮悠介
    • 学会等名
      全日本博物館学会第49回研究大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 水族館における親子の会話と学びの多様性2022

    • 著者名/発表者名
      繁宮悠介
    • 学会等名
      日本生態学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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