研究課題/領域番号 |
20K01132
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 神奈川県立生命の星・地球博物館 |
研究代表者 |
石浜 佐栄子 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (60416047)
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研究分担者 |
加藤 ゆき 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 情報資料課長 (70342946)
大坪 奏 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部, 非常勤学芸員 (40598041)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 博物館 / 親子 / コミュニケーション / 非言語 |
研究開始時の研究の概要 |
通常の博物館においては、大人を対象に展示が構成されているが、近年、特に自然史博物館では幼児の来館者数が著しく増加し、その対応・解決が重要課題の一つとなっている。子ども向けの体験型展示やデジタルデバイスによる展示支援システムなどは一定の効果を上げているものの、文章に馴染みの薄い幼い子どもにはうまく対応できていない。そこで、幼児~小学校低学年の子どもと、ガイド役となり得る保護者のセット(親子)に対し、どのような手法を用いればより豊かな博物館体験を提供できるのか明らかにすることを目的として、親子の会話を誘発する、言語に頼らない展示や解説手法を開発・実践・評価し、博物館活動の新たな展開を試みる。
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研究実績の概要 |
通常の博物館においては、大人を対象に展示が構成されているが、近年、特に自然史博物館では幼児の来館者数が著しく増加し、その対応・解決が重要課題の一つとなっている。子ども向けの体験型展示やデジタルデバイスによる展示支援システムなどは一定の効果を上げているものの、文章に馴染みの薄い幼い子どもにはうまく対応できていない。そこで本研究では、幼児~小学校低学年の子どもと、ガイド役となり得る保護者のセット(親子)に対し、どのような手法を用いればより豊かな博物館体験を提供できるのか明らかにすることを目的として、親子の会話を誘発する、言語に頼らない展示や解説手法を開発・実践・評価し、博物館活動の新たな展開を試みている。 令和2年度はウェブサイトを通した発信として、自宅で親子で楽しめる博物館オリジナルコンテンツを作成・公開したり、企画展内にやさしい一言ポップを追加して展示内容の補完を行うなどした。令和3年度は、セルフデバイスを利用し非接触で回答を得られるクイズを特別展内に設置したり、きのこ先生と子どもの会話によって展開する展示を製作し、それらの成果について発表した。令和4年度は、親子で会話をしながら観察を深めてもらう目的で動物ぬりえ冊子を製作・実践したり、来館した親子に対して展示の事前評価やニーズ調査を実施した。 令和5年度は、展示のニーズ調査についての結果をまとめ、学会発表や著作においてその成果を公表し、他の博物館関係者とも知見を共有して議論を深めた。また動物ぬりえの様々な形式での実践結果について整理し、学会誌に投稿した(受理済)。更に「親子」のコミュニケーションを誘発して共有体験ができる展示を目指して、絵本の原画と剥製を用いた企画展を実施し、来館者の行動を観察しながら展示の改善を行った。なお昨年度に引き続き、博物館等施設における幼児童と保護者のための工夫事例に関して継続して調査を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の拡大による影響で、他館への視察や実践研究などを思うように進めることができなかった期間があり、研究計画に遅れが生じた。そのため研究期間を令和6年度まで1年間延長し、研究の遂行と結果の公表を進める。 (1)『幼児童向け取組事例の調査と評価』については、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により他館への調査が難しい時期が続いたため実施が遅れており、令和6年度も引き続き実施する。 (2)『「親子」に対する博物館ニーズ調査』については令和4年度に実施し、令和5年度に学会発表や著作において成果を公表することができた。 (3)『「親子」の会話を誘発する新しい展示デザインの検討、開発と実践』については、令和5年度に実施することができたが、令和6年度も引き続き評価や改善を重ねながら開発や実践を行う。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、以下の通り研究を進める予定である。 (1) 幼児童向け取組事例の調査と評価 昨年度に引き続き、全国の博物館や美術館、科学館等において実施されている「幼児童」向けの取り組みについて詳しく聞き取り調査し、“豊かな博物館体験の提供”という観点から評価を行う。 (2) 「親子」の会話を誘発する新しい展示デザインの検討、開発と実践と改善 「幼児童」にも理解しやすい絵、マーク、音声や画像、映像、五感を使った体験等を用いた、言語に頼らない新たな展示や解説の手法(展示デザイン)について検討し、開発・実践・評価を行う。親子の展示への関わりを補助するための素材の製作や、素材の提供方法に関する調査についても実施する。「親子」のコミュニケーションを誘発して共有体験ができる展示デザインの提供を通して、豊かで印象深い博物館体験へとつなげる。 (3) 研究成果のまとめ、公表
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