研究課題/領域番号 |
20K01137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04010:地理学関連
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
中村 洋介 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (80386515)
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研究分担者 |
瀬戸 真之 福島大学, うつくしまふくしま未来支援センター, 客員准教授 (10386518)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 活断層 / 朝鮮半島 / 韓国 / 未知の活断層 / 変動地形 / 地形編年 / 地質断層 / 直下型地震 / 原子力発電所 / 原発 |
研究開始時の研究の概要 |
韓国の原発は、稼働中の25基のうち14基が朝鮮半島の南東海岸に立地する。これらの原発 の近傍には第四紀の後半に大地震を繰り返し発生させてきた梁山断層と蔚山断層が分布する。さらに、研究代表者の近年の調査によって、梁山断層系の地質断層の一部(東莱断層)も第四紀後期の地形面を変位させており、活断層である可能性が高いことが示唆された。 大地震などで韓国の原発に事故が発生すると、放射性物質が偏西風に乗って西日本などに飛来することが十分に想定される。このため、韓国東部に立地する原発周辺の地震危険度評価は、学術的のみならず東アジア全域の原子力防災の観点からも非常に重要かつ喫緊の課題であると言える。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は朝鮮半島の特に南西部(プサン~ウルサン周辺)における未知の活断層の検出とその評価である(既知の活断層であるヤンサン断層やウルサン断層の活動の再評価も含む)。本来は、採択開始年度である2020年度から韓国南東部を中心に未知の活断層の検出に関する現地調査を行う予定であった。しかしながら、コロナ禍の影響で韓国への渡航自体が2021年度までは不可能であり、この2年間は既存研究(韓国の活断層調査、韓国の地質断層調査)のレビュー、衛星画像を用いた地形判読などに従事せざるを得なかった。本研究の実施期間を2023年度までへの延長手続きを行った上で、職場からの海外渡航の許可が出た2022年の8月よりようやく韓国での現地調査が開始できた研究分担者や研究協力者など、日本内外の研究者と韓国の活断層に関する情報交換を積極的に行いながら、従来は地質断層として記載されていた東菜断層や(既知の活断層である)ヤンサン断層の1本西側のリニアメントなどを中心に現地調査を行った。その結果、東菜断層が走る蔚山市内で後期更新世の地層を変形させる露頭を確認したほか、ドローンによる断層露頭の周辺の地形の空撮を行った。露頭では4種類の堆積物が変形を受けているが、そのうち上位から2番目の堆積物のOSL年代測定を専門業者に依頼し現在測定中である。2022年度は実質の現地調査初年度であり、日程確保の観点などから現地調査に十分な時間をかけられなかったことから、2023年度はできるだけ広い地域で調査を実施したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度よりようやく韓国での現地調査が可能になったが、本来2020年度~2022年度までに実施する予定であった現地調査の半分も終了できていないため、延長した2023年度に挽回したい。
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今後の研究の推進方策 |
渡航自体が2年遅れであり2023年度まで1年延長したものの、本来3年間で行うべき調査を実質2年間で実施することになるため、2023年度も積極的に現地調査を行いたい。2023年度はプサン~ウルサン間の特に海岸沿いなどを中心に現地調査を行う予定である。
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