研究課題/領域番号 |
20K01141
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04010:地理学関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
宇根 寛 お茶の水女子大学, 文理融合 AI・データサイエンスセンター, 研究協力員 (20415037)
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研究分担者 |
八木 浩司 山形大学, 地域教育文化学部, 名誉教授 (40292403)
佐藤 浩 日本大学, 文理学部, 教授 (60360468)
中埜 貴元 国土地理院(地理地殻活動研究センター), その他部局等, 研究官 (60511962)
小村 慶太朗 一般財団法人電力中央研究所, 地球工学研究所, 主任研究員 (70868554)
遠藤 涼 国土地理院(地理地殻活動研究センター), その他部局等, 研究官 (10865067)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 2016年熊本地震 / 象ケ鼻断層 / 地表変位 / 活動履歴 / 非起震性地表変動 / お付き合い地震断層 / SAR干渉解析 / 地形形成プロセス / トレンチ調査 / 活断層地形 / 活断層 / 地震防災 |
研究開始時の研究の概要 |
熊本地震で発生した非起震性地表変動について,地震時の変動を詳細に明らかにするとともに,トレンチ調査と簡易ボーリングにより,過去の活動履歴を調査する。また,現地調査,空中写真判読,簡易ボーリング,浅部地中レーダ探査を行い,地形的特徴と浅部地下構造を把握する。これらの比較検討を行うことにより,過去の活動履歴と活断層地形との関係およびその地形形成プロセスを明らかにする。この結果から,地震動の発生と地表の変動(ずれ)の両面から,このような非起震性地表変動を引き起こす断層の防災上の意義を検討するとともに,活断層の活動性の評価方法およびそれに基づく活断層の防災対策のあり方について提案を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は,非起震性地表変動(近傍の地震活動に誘発されて,地震観測で捉えられるような地震動を発生させることなく生じた地表の変位)の累積が活断層地形を形成し得るかを明らかにし,活断層の活動性の評価方法およびそれに基づく活断層の防災対策のあり方について提案を行うことを目的として,2016年熊本地震で発生した非起震性地表変動について,現地調査,空中写真判読,トレンチ調査,簡易ボーリング,浅部地中レーダ探査等を行い,地震時の変動を詳細に明らかにするとともに,過去の活動履歴と活断層地形との関係およびその地形形成プロセスを明らかにするものである。 本研究では,2020年度の現地調査に基づき,阿蘇外輪山北部の象ケ鼻断層を対象に選定し,調査を行った。ここでは,SAR干渉画像解析により,2016年熊本地震に伴う位相不連続が確認されており,また,コンクリート舗装路には地表地震断層が現れている。さらに,1997年に一の宮町(現・阿蘇市)教育委員会により実施された遺跡発掘調査報告書により活断層の存在が報告されている。 2021年度は,主に,道路沿い斜面の表土を除去し,露頭面の地層と断層,亀裂の詳細な観察・記載を行った。また,ハンドオーガーによる簡易ボーリング,地中レーダ探査等を行い,断層周辺の浅層構造の調査を行った。2022年度においては,地層の編年,活動履歴の検討のため,露頭と簡易ボーリングで採取した試料の年代測定及びテフラ同定を行った。また,補完的調査として,追加の試料を採取して年代測定を行うとともに,周辺地域の地形,地質の調査を行った。また.学会において調査結果の速報的な報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度,2021年度それぞれにおいて,変位地形が明瞭で活断層として認識されている地点に現れた非起震性地表変動と,地形的には変位地形として認識されていない地点に現れた非起震性地表変動のトレンチ調査等を実施することとしていたが,2020年度は新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い,研究者の出張が制限され,大規模な現地作業を実施することができなかったことから,本研究の目的に照らしつつ,調査の実施地点を1か所に絞り,2021年度に主要な現地での調査を実施し,2022年度に採取した試料等の分析を行い,成果のとりまとめ,公表については2023年度に実施することとして研究期間を延長した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度においては2022年度までに実施した地形計測,現地踏査,露頭面観察,簡易ボーリング,地中レーダ探査等の結果の分析と,試料の年代測定及びテフラ同定を進め,過去の活動履歴を明らかにするとともに,地形的特徴と浅部地下構造を把握する。また,その結果をもとに,お付き合い地震断層活動と地形の関係を考察し,地形形成プロセスを検討する。さらに,地震動の発生と地表の変動(ずれ)の両面から,非起震性地表変動を引き起こす断層の防災上の意義を検討し,非起震性の受動的な活動を考慮した活断層の活動性の評価方法およびそれに基づく活断層の防災対策のあり方について提案を行う。これらの成果を学会において発表するとともに,学術論文の執筆を行う。
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