研究課題/領域番号 |
20K01159
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
土居 晴洋 大分大学, 教育学部, 教授 (40197992)
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研究分担者 |
南埜 猛 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (20273815)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 東アジア / 地形図 / 土地資源 / 文化 / 価値観 / 政策 / SDGs / SDGs |
研究開始時の研究の概要 |
「死後の土地利用(一般的には墓地)」は,死後の「安息の地」であるが,人口が増加する都市地域では土地資源配分の課題でもあり,その配分のあり方や立地選定は文化や価値観,政策などのため地域的差違がある。本研究は本科研代表者(土居)による中国の研究成果と方法論を基礎として,日本・中国・台湾において,葬送文化や制度の変遷,「死後の土地利用」の空間的分布や面積の特徴を明らかにする。これにより世界的には文化的背景が比較的類似するにも関わらず,政治経済的状況などが異なる日中台の「死後の土地利用」に共通性や差違があること,またそれらの要因や背景を明らかにする。
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研究実績の概要 |
令和3年度までに新型コロナウイルス感染症拡大に伴って滞っていた国内出張の制約がほとんどなくなったことから,国立国会図書館などでの資料収集を本格的に実施するとともに,これまでに入手した資料のデータ化や分析を行った。具体的な研究の進展は次の3点に集約できる。 (1)日本について厚生省(現,厚生労働省)が公表する『衛生行政報告例』(昭和10年代は『衛生年報』)について,1913(大正2)年以降の死亡者数,墓地数に関するページ,また大正期から昭和初期の各府県統計書の該当ページの複写を行った。これをもとに,都道府県単位の死亡数と墓地数の経年的推移のデータを整備した。またデータが得られた府県については各府県統計書から,市郡単位で火葬率や墓地数等の経年変化と地域的動向を分析した。その研究成果は,20世紀半ば以降については,論文として土居(2023)を,大正期から20世紀半ばまでの動向については,2023年3月(日本地理学会)において口頭発表を行った。 (2)ミクロレベルにおける東京都市圏の墓地の空間的分布の推移に関する資料のデータ化を進めた。現代においては,「住宅地図」(ゼンリン)をもとに,墓地記号と土地利用界をGIS上にポリゴンデータとして記録を進めた。一方,およそ百年前の墓地の空間的分布を地図化するために,明治末(1910年前後)の旧1万分の1地形図を購入し,同じく墓地記号と土地利用界のGIS上でのデータ化を進めると同時に,東京都の保健衛生に関する文献資料を収集した。 (3)台湾に関しては,アジア経済研究所図書館において,『内政統計提要』(中華民国内政部)の該当ページを複写することで,20世紀半ば以降の墓地数や面積等のデータを入手し,分析を進めた。 なお,中国に関しては安全な渡航が困難と判断されたことから,実質的に研究の進展には至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は日本と中国,台湾において,統計データを主体とする全国的動向の分析だけではなく,現地調査を実施することで,大都市圏における葬送の時間的・空間的な動向の考察を重視している。新型コロナウイルス感染症が次第に落ち着き,国内出張は可能となったものの,令和4年度中に外国出張を安全に実施できるまでには至らず,現地調査を実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる令和5年度は,現地調査の実施と並行して,最終的な取りまとめ作業を行う。また,人口増減の予測や社会経済情勢の動向に照らして,今後どのような課題や問題が発生するのかなど,市民の安寧を実現する「死後の土地利用」の持続可能性を検討する。 具体的な研究方策としては,まず対象地域における死後の土地利用の時空間分析の精緻化を進めていく。その方策の一つとして,風水思想など市民の文化的価値観との関係を考察するために,GISを用いて標高DEMや都市圏内の立地の特性などとの関連を考察する。現地調査においては,3都市圏において,公共および民間の墓園に関する聞き取り調査を行い,立地の経緯や遺骨等の収容形態や収容量の変遷に関する資料を入手する。これらを通して,日本にあっては自治体や宗教法人など,中国と台湾では共同墓地や軍人墓地など,墓地の開発や整備の主体となる組織や類型による意志決定のメカニズムや要因の考察を行いたい。 研究成果の公表に関しては,台湾に関する墓地・葬送の時空間分析と東京都市圏のミクロ分析の成果について,日本地理学会秋季学術大会など,今秋を目処に口頭発表を行い,その後,論文としての学術雑誌への投稿を目指す。中国については,安全な現地調査の実施が可能と判断されるのを待って,現地調査を実施したい。
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