研究課題/領域番号 |
20K01160
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
上杉 和央 京都府立大学, 文学部, 准教授 (70379030)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 文化的景観 / 地域づくり / 景観史 / コミュニティ / 文化財 / 価値 / 計画 |
研究開始時の研究の概要 |
重要文化的景観に選定された地区の持続には、文化的景観の価値評価とそれを活かした地域づくりを有機的に連動させる「価値論(評価)×計画論(持続)」の実践的なモデルを作ることが、学術の役割として重要となります。 本研究では、重要文化的景観の選定地が選定後にどのような地域づくりをおこなってきたのかについて比較検討し、こうしたモデルを構築するための基礎研究とすることを目的としています。 研究では、重要文化的景観に選定された地区の取り組みについての概要調査に加え、選定時期による地域づくりの取り組みや進度の違いを検証するため、年2ヶ所(計8か所)程度の詳細調査を実施し、その結果の比較をおこなう予定です。
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研究実績の概要 |
2023年度は、最終年度にあたり、研究調査の遂行とそのまとめを中心に実施した。 調査については、研究代表者と研究協力者が分担して京都府宮津市、奈良県明日香村、大阪府泉佐野市、愛媛県西予市、愛媛県松野町、長崎県長崎市、沖縄県今帰仁村に赴き、重要文化的景観の価値の浸透や価値に基づいた活用の方策の具体例などの聞き取りを含む現地調査をおこなった。 このうち、長崎市については研究協力者である鈴木暁子によって、重要文化的景観の範囲で実施されている活用整備事例に関する聞き取り調査がなされ、選定後に進められている整備の現状が確認された。また、今帰仁村については上杉と研究協力者である奥谷三穂によって、重要文化的景観の今泊地区で実施したワークショップの内容についての確認、および今泊らしさについて周辺のフクギ屋敷林集落との比較調査がなされた。西予市については活用に関するワークショップに参加し、地域の中での取り組みやその課題について聞き取りをおこなった。松野町については、当初、調査の予定はなかったが、2023年3月に棚田の石積みの保全を目指した石積みワークショップが開催されるということで、上杉と鈴木が訪問した。当日は天候不順のため、ワークショップ自体は中止となったが、石工による石積み修理現場を見学し、また地域の文化財担当者より、選定後における集落の動きや今後の方向性などについての聞き取りをおこなうことができた。 2023年度中に、成果を京都府立大学文学部歴史学科の刊行する文化遺産叢書としてまとめる予定であったが、松野町の石積みワークショップが3月に実施されることを知り、そこでの調査を含めた成果報告書とするために、報告書作成部分のみ次年度に延期することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの間、いくつかの調査地について聞き取りを実施し、中間報告などとしても取りまとめてきた。調査としては順調であったと判断した。 なお、最終年度の3月に調査を実施したい活用事例が見つかったため、最終報告書の作成は次年度に延期したが、それ以外の内容はほぼまとまっており、大きな後れとはならないことは確実である。
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今後の研究の推進方策 |
重要文化的景観の「価値論×計画論」をめぐる研究を実施するなかで、地域それぞれの背景をふまえる必要性が改めて浮かび上がった。こうした点を加味した研究をさらにおこなうことが今後の推進方策の1つである。とくに、同じような特徴を有する地域にあって、重要文化的景観に選定されている地域とそうでない地域とで、その後の地域づくりにどのような違いが生じるのかといった点を具体的に検討することは、面的な文化財である文化的景観の保存活用の意義に大きく関わるものとなる。こうした点について、検討を進めることにしたい。 なお、この点に関して、文化財保護法の改定にともなって、現在は全国の自治体で文化財保存活用地域計画の策定が始まっている。文化財保存活用地域計画のなかで提唱される文化財の保存活用の方向性のなかには、文化的景観の「価値論×計画論」の考え方に調和的なものも含まれており、本研究の推進方策として、文化的景観と地域計画との関係性についての検討といった点も考えられる。
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