研究課題/領域番号 |
20K01169
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
古田 昇 徳島文理大学, 文学部, 教授 (30299333)
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研究分担者 |
中条 義輝 徳島文理大学, 文学部, 教授 (10124108)
川瀬 久美子 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (40325353)
新見 延安 徳島文理大学, 人間生活学部, 教授 (80773762)
小林 郁典 徳島文理大学, 理工学部, 准教授 (90248328)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | GIS / 農業的土地利用 / 防災・減災 / ESD / 歴史的変化 / 文化的景観 / デジタルアーカイブ / 旧版地形図 / 防災教育 / 自然環境 / 人間活動 / 中山間地 / 灌漑 / 地形環境 / 持続可能 |
研究開始時の研究の概要 |
ある地域が、長い歴史と伝統を育んできたのには理由があります。土地に刻まれた歴史や持続可能な暮らしの知恵は、地域の中に埋め込まれています。 今日頻発している様々な自然災害による被害の増大は、この叡智をみすごしてきたことにも一因がある。その土地で数十年、数百年、安全・安心に暮らしていくために必要なおきてを、目の前の生活とその利便性を追求するあまり、ないがしろにしないために、自然環境をどのように理解し、読み解いていけばよいのかを、長年、自然地理学とGISに精通してきた立場から、新課程「地理総合」の授業にも利活用いただけるような手法の提示につとめたい。
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研究実績の概要 |
2023年度は、引き続きコロナの影響を受けたほか、各研究分担者の事情により、大幅に研究が遅れることになった。そのような中でも、近隣府県から現地調査に出かけ、コンテンツ作成に向けた資料作成を継続した。四国電力の送配電系統図から、地理院地図で送電線と水力発電所との関係を、シェープファイルで作成し、電力事情の地域差を示すコンテンツを作成した。さらに、中国・関西にもフィールドを広げ、河川水の利水・治水面からの作業も、地理院地図をベースにしながら、今昔マップ、またこれらでカバーできない旧版地図は、近隣大学所蔵の地形図の借用や謄本請求を行い、順次デジタルアーカイブを作成している。研究代表者所属機関は2025年春に高松駅横へ移転するが、新図書館において、数万枚にわたるこれまでの旧版図のコレクションを展開する予定であり、本研究においてもちいた図幅も、このコレクションに加える計画である。これにより、瀬戸内海流域の旧版図はほぼ網羅できることになり、デジタルアーカイブと紙地図のハイブリッドで、今後、近隣の研究者や高校教員に利用していただけるよう調査、整備を進めている。 2023年度は、備中高松城水攻の史跡を学生、外部一般参加者を募って現地訪問し、土地条件図などから、築堤がいかに効率的に行われたかを現地にて解説し、新たな歴史学の視点として高い評価を受けた。また、西日本豪雨で大きな被害を受けた倉敷市真備町を合わせて訪問し、国土交通省の担当官から解説を受けたほか、研究代表者も治水地形分類図をもとに説明し、さらに、旧西国街道の川辺宿周辺に残存する神楽堤や寺院に残る近代の洪水痕跡から今後、留意すべき視点をのべた。これらは、本来地理総合で生徒に教育すべき視座であるが、今後頻発する自然災害にどう向き合うのかを土地に刻まれた歴史と土地条件から理解していただくべく、さらにコンテンツの充実に向けて努力したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナの影響に加えて、研究代表者の親族の死去、研究分担者の体調不良等により、内外の調査が計画通り進まなかったことによるところが大きい。 状況は、一段落したことから、2024年度は、研究分担者各位の援助を得て、さらにコンテンツ制作を行うとともに、公開の方法について検討を加えたい。 研究分担者相互の連絡を今まで以上に密にして、途中経過を共有しながらブラッシュアップを進めることが過年度以上に必要である。
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今後の研究の推進方策 |
研究年度の延長をお認めいただいたので、これまでのコンテンツ作成を見直し、新たな情報を加えて、研究を加速する計画である。分担者や旧分担者も研究協力者としてアドバイスをいただける立場におられることから、今までの遅れを取り戻すべく、精進していきたい。 地理院地図や旧版地図、さらには空中写真で知り得る知見が、現地では必ずしも明確になるとはかぎらない。高校生をつれて現地で確認すること、できることと、そうでないことを区別する必要があるため、今後も、現地確認を欠かさず、可能であれば、現地討論も含めて検討していきたい。本年度は、今まで調査を行ってきた地域、分野におけるコンテンツ作成に向けて、分担者と協議を重ね、また、各自が発表した報告などをまとめる作業も加速していきたい。四国地区にとどまらず、中国、近畿、九州、一部その他の地域の事例も含めて検討して、今後の展開の方針を確認していきたいと考えている。また、研究発表もコロナ対策他でできていない状況を打開し、さまざまな学会等で報告し、討論をいただきながら軌道修正をしていきたいと考えている。さらに、本年度は、高校等に対する出張講義や、高校の地理総合担当教員とのヒアリングを進め、直面している課題を直接聞き取って、自然地理学専攻以外の教員が地理総合を担当する際の、難しさを「見える化」していくこと、また、実際の出張講義で高校生に授業する中で、生徒の反応を直接感じながら、コンテンツ作成を行い、発信することで、地理総合に対する信頼感の醸成にも寄与したい。
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