研究課題/領域番号 |
20K01179
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 東北公益文科大学 |
研究代表者 |
松山 薫 東北公益文科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70337244)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 満州開拓 / 日輪兵舎 / 満蒙開拓青少年義勇軍 / 歴史地理学 / 人文地理学 / 満州移民 |
研究開始時の研究の概要 |
昭和戦時期に国策化した満州移民は,当該時期の国内外の政治経済に重大な局面をもたらした人口移動である。本研究は,この政策の浸透過程に少なからぬ影響を及ぼしたと考えられる,開拓者訓練施設の設置状況や伝播の経緯を明らかにし,政策遂行の背景を実証的に検証する。とりわけ「日輪兵舎」とよばれる様式の訓練用建築物の全国的伝播過程に着目し,それらの全国的分布状況を調査する。また,高い象徴性をそなえたこの建築物がどう表象され,かつ実際に使用されていたかを,同時代資料や戦後の二次資料から分析する。満州への移民送出数や送出過程の地域性と関連付けながら,それらの建築物・施設が政策の浸透過程に果たした役割を考察する。
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研究実績の概要 |
昭和戦時期に国策化した満州移民は,当該時期の国内外の政治経済に重大な局面をもたらした人口移動である。本研究は,国策浸透過程に少なからぬ影響を及ぼしたと考えられる,開拓者訓練施設の設置状況や伝播の経緯を明らかにし,このような政策が遂行された背景を実証的に検証することを目的としている。とりわけ「日輪兵舎」とよばれる様式の訓練用建築物の全国的伝播過程に着目し,①満蒙開拓青少年義勇軍制度が生み出した独自の訓練施設用建築様式である「日輪兵舎」様式の建物の全国的分布状況を調査しデータベース化する。②作成したデータベースより,高い象徴性をそなえた同様式の建物がどのように表象され,また実際に使用されていたかを,同時代資料や戦後の二次資料から分析する。③上記①および②の結果より,満州への送出数や送出過程の地域性と,同様式の建物の分布状況との関連を考察する。これは,従来の満州移民送出や研究に欠けていた,移民訓練施設やその建物といった,ハード面からの政策過程の解明に寄与するものである。2022年度も引き続き新型コロナウイルス感染症拡大の影響で,県外における現地調査の件数は計画より縮小せざるを得なかったが,図書館等を利用した資料収集を実施し,上記①に関する研究を進捗させた。また,②に関して,2022年5月に滋賀県において資料収集を行い,2022年9月には日本地理学会秋季学術大会において,「日輪兵舎の用途の多様化に関する考察」と題する研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症流行の影響下で現地調査が十分には行えなかったことと,家庭の事情(介護)による。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,これまでに収集した,かつて存在した「日輪兵舎」(国内累計100件以上)に関する情報を整理・分類し,学術誌に論文を投稿する。同時に,データベース構築に際して裏付け資料が複数確認できていない場所を中心に,引き続き現地調査を含めた資料収集を行い,書籍出版へ向けた準備をする。さらに,海外に保管されている資料の所在や,海外に存在した「日輪兵舎」の事例も少数ながら把握したので,今後の研究の発展のためにそれらに関する調査も進める。
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