研究課題/領域番号 |
20K01190
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
深山 直子 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (90588451)
|
研究分担者 |
棚橋 訓 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (50217098)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | クック諸島・プカプカ環礁 / NZ・オークランド / 移民コミュニティ / 社会組織 / インターアイランド・ネットワーク / レジリエンス / 土地 / 資源 / クック諸島プカプカ環礁 / マルチサイテッド・エスノグラフィー |
研究開始時の研究の概要 |
クック諸島の極小離島プカプカ環礁では1970年代以降、島外・国外の都市への移住が進み、移住先ではコミュニティの形成がみられる。本研究では、クック諸島・ラロトンガ島とNZ・オークランドにおけるプカプカ人移民コミュニティを対象として、マルチサイテッド・フィールドワークを実施する。そして、各コミュニティの形成過程を明らかにし、互助組織としての特徴・機能を指摘したうえで、2コミュニティおよび環礁社会が近年、文化再活性化プロジェクトと環礁の災害復興支援という出来事において協働する実態を描く。さらに、移住先と故郷の間のインターアイランド・ネットワークを、リスク社会におけるレジリエンスの所在として考察する。
|
研究成果の概要 |
クック諸島・ラロトンガ島とNZ・オークランドにおけるプカプカ環礁からの移民コミュニティに焦点を当て、その歴史と組織化の経緯を捉え、平常時における互助を主たる目的とした特徴を明らかにした。その上で、固有の言語や伝統芸能といった文化継承や、2005年に環礁社会を襲った巨大サイクロン災害からの復興支援に着目し、移民コミュニティの機能を指摘した。現代においてプカプカ人の生活世界のレジリエンスは、先行研究から導かれるプカプカ環礁社会における資源管理・利用システムの柔軟性・緻密性のみならず、環礁社会と複数の移民コミュニティを繋ぐインターアイランド・ネットワークにも所在するものとして捉えられるべきだ。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
狭小性とヴァルネラビリティに特徴付けられる傾向の強い環礁社会を、マルチサイテッド・フィールドワークという方法により、インターアイランド・ネットワークという視点から捉え直し、脱領域的でレジリエントな社会として論じる点で、学術的意義が高い。加えて、環礁社会の住民による複数地域への移住を、気候変動が深刻化する現代における主体的な戦略として提示することで、国際社会および各国におけるリスク・マネジメントに関する施策に対して直接に寄与できる点で、社会的意義がある。
|