研究課題/領域番号 |
20K01203
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
|
研究機関 | 大阪樟蔭女子大学 |
研究代表者 |
濱田 信吾 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 准教授 (00734518)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 食文化 / 発酵食 / 伝統 / スウェーデン / 北欧 / 沿岸社会 / 北欧文化 / 地域研究 / ニシン / 沿岸文化 / 醗酵食 / テロワール / シュールストレミング / ナショナル・キュイジーヌ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、スウェーデンの発酵魚食シュールストレミングの社会史を、近年注目を浴びる新北欧料理の批評的検討を含めた食文化・料理論から明らかにする。シュールストレミングは、世界的に知られる発酵食品だが、現代スウェーデンの国内食文化における所在に関する研究は未発展である。本研究は、スウェーデン国内のシュールストレミング加工会社8社と「シュールストレミング・アカデミー」を対象にした現地調査と、スウェーデン語の郷土資料を含める文献をもとに、シュールストレミングの文化史を検討し、スウェーデンにおける食文化論を通じた重層的な地域文化の表象とアイデンティティ構築の様相を記録する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、スウェーデン北東部で生産される発酵食シュールストレミングの社会史と文化的価値を、北欧で発展する新料理を含めた食のグローバル化の文脈とともに明らかにすることを目的としている。スウェーデン国内のシュールストレミング加工会社と、シュールストレミングの文化的継承を促進する有識者組織の構成員を対象にした聞き取り調査を中心とした現地調査、そしてスウェーデン語の資料を含めた文献収集に基づいた、グローバル化とローカル化の相関関係から生成される「場所の味」に関する言説研究の展開を予定している。 令和5年(2023年)度は、当初予定していたスウェーデンを訪問した実地調査の実施を見送ったため、大きな研究実績はなかった。 一方、前年度までに進めたスウェーデン語の文献の翻訳作業とそのほかの関連文献、そして2019年度の実地調査の結果に基づき、シュールストレミングがうみだされた背景となるバルト海の海洋環境の特徴と歴史、そして生産方法の概要をまとめた論文を発表した。最終年度となる2024年度は、実地調査を実施し、シュールストレミング加工場における参与観察を含めた民族学的資料のさらなる収集と、スウェーデン料理・ニシン料理に関する文献の収集を進める予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
夏期・冬期の現地調査の中止が大きな理由である。夏期は、他の研究課題に取り組む必要性があり、スウェーデンでの現地調査に必要な長期日程を確保できなかった。短期で夏期に行くことは断念し、冬期の現地調査を考えた。しかし、冬期は地域漁業との収穫時期や現地調査協力者との日程調整が折り合わず、次年度に現地調査を実施することにした。
|
今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、当初予定していたスウェーデン訪問を伴う現地調査を行う予定である。特に加工会社の訪問とシュールストレミング生産に係る参与観察、そして漁業者への聞き取り調査を優先して行う。また、複数回の実地調査の実施が困難となる可能性をふまえ、現地調査を実施中にできる限り関係者の連絡先を入手し、日本からでも調査が行える体制を整え実施する。
|