研究課題/領域番号 |
20K01206
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
松川 恭子 甲南大学, 文学部, 教授 (00379223)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | インド・ゴア / 自己語り / 複数メディアを活用した教育と発信 / 人類学的実践研究 / デジタル・ストーリーテリング / オートエスノグラフィー / 自己語り/複数メディアを活用した教育と発信 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、インド・ゴア大学社会学科で、故Alito Siqueiraが修士課程卒業生たちに推奨した自己語りを通じた教育/複数メディアによる発信に申請者が関わる人類学的実践研究を行う。この作業により、「自己語り」という営為をめぐり現われるインド社会の文化的諸問題、「自己語り」のエンパワーメントの契機としての力、複数メディアでの発信による共感の拡がり・ネットワーク形成の可能性を明らかにすることをめざす。
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研究実績の概要 |
研究課題を開始した2020年4月からコロナ禍のためにインドへの渡航が叶わず、2021年度も引き続きオンラインで現地とのやり取りをせざるをえなかったが、2022年度はインド・ゴア州に渡航して現地調査を行うことができた。 2022年9月16日に渡印し、現地滞在5日間と短い期間であったが、ゴア大学社会学科の教員であった故Alito Siqueiraの教え子4人に対して(1)彼が実践した教育方法、(2)彼の教育方法が自身の人生に与えた影響の2点を中心に聞き取り調査を行った。また、修士課程の学生たちが自身の置かれた社会的立場を振り返る形で執筆した修士論文を改稿して取りまとめた論集であるHanv Konn: Re-searching the Selfの出版チームとしてSiqueiraの死後に書籍として出版を成し遂げた友人3人にSiqueiraとの関わりについて聞き取りを行った。今回の調査により、以下2点が明らかになった。一つめは、学生たちが自身に関わる問題(例えば部族出身者にとっての差別)を語り、その過程で自身の問題を社会学的問いに変換していったことと、その問題を教員となった現在も問い続けていることである。二つめは、多くの部族出身の学生たちと関わるなかで、Siqueiraが晩年にゴアにおける留保政策をめぐる問題(例えば留保政策の対象となる部族出身者に割り当てられた教員ポストの公募が適切に実施されてこなかったこと)を解決するための運動に身を投じていたことである。 調査により明らかになったことをまとめ、日本南アジア学会全国大会で報告するとともに、大学の紀要に論文の形で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでコロナ禍でインドに渡航して調査を行うことができず、オンラインで現地とやり取りしていたのが、現地で聞き取り調査を行うことができたため。また、その調査の成果を論文の形で発表することもできた。
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今後の研究の推進方策 |
Alito Siqueiraが実践した教育方法をワークショップの形で現地で行うという当初の計画が実施できていないため、現地の研究協力者と連携して実施に向けて進めていく。Alito Siqueiraの教育方法を振り返るデジタル・ストーリーテリングのワークショップを実施することを考えている。
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